当院では、予約の方もだいぶ待っていただくことがあり、大変申し訳なく思っております。

特に8月は休日・祝日(休診日)が多く、大変お待たせしました。

看護スタッフ増員などで、9月末から10月に入ってから予約の方、予約外の方も待ち時間はだいぶ短縮され、予約の方、予約外の方もほぼお待たせせずに診させてもらうようにしています。

(緊急の患者様がいる場合はどうしても時間がかかってしまうことや、時間帯によってはどうしてもお待たせしてしまうこともありえます。何卒ご了承のほどよろしくお願い申し上げます)

病院でまつ時間ほど意味のない時間はない、と自分自身思っています。

今後は季節柄、インフルエンザ流行などで時間がかかることもあろうかと思いますが、改善点があれば工夫していくつもりです。

 

私も留学前は、「きっといいことをしているんだろうな」「論文の図でもいいようになっているし」としか認識していませんでした。 しかし留学し、アンジオテンシン IIという悪い物質をつかったマウスの実験では、血管はボロボロ、血圧は上がり、大動脈瘤までできる始末です。 解剖して、免疫染色で「酸化ストレス」などをみても、血管や臓器(心臓・腎臓の細胞)はボロボロです。 しかし、悪い物質とともに、それらを阻害する物質を投与していると、それらが防げ、正常のマウスと同じ経過を辿ります。

実感して投薬することができる、これは自分にとっては非常に大きな経験になりました。

百聞は一見にしかず、ということわざ通りでした。

アレルギーなどさまざまな要因で、前駆症状があり、血圧低下でショック状態になる、かなり「やばい」状態のことです。

四国こどもとおとなの医療センターでは、先輩医師がはじめて、アドレナリンを使用して、教科書には静脈注射と書いているので、その通りしたら心室細動になって、私も呼ばれ、電気ショックで容易にもどりましたが、まずは、筋肉注射が重要です。 相当悪い人にたいして静脈注射はするべきです。

私の場合は過量投与にならないように、アドレナリンを生理食塩水(点滴でつかうやつ)100mlに溶いて、そのうち1-3mlを筋肉注射します。 少し足らないのでは? と思われる医療関係者の方もおられると思います。 ただ今までこの方法で悪くなった人はおらず、症状の軽減が必ずみられるので、その後入院として、経過をみるようにしていたので問題はありませんでした。 クリニックでは、まずそういった重症患者さんが来られることはないのですが、病態を余計に悪くするよりも初期治療をしっかりとして、大病院に急いで搬送するのがいい、と思っています。

ちなみに喘息の発作が強くでている方に、ステロイドだけの点滴をするのは全くのナンセンスです。 効いてくるのは30−60分後です。 同時に気管支拡張薬を点滴しないと、症状はとれません。 これは呼吸器というか内科の基本です。

「咳喘息」という概念は日本と中国が主流であり、米国ではそもそもそういった疾患の概念が、CHSに含まれるような記述がある。
長引く風邪には、喘息、好酸球性気管支炎、鼻炎、逆流性食道炎の4つがメインとされているも、どれも当てはまらない点があると、CHSを考える必要があるとされています。

咳喘息と同じく、吸入ステロイドが有効であるかどうか、が重要で、短期間の内服のステロイドも推奨されています。

私自身は、気管支炎を起こした後に、長引く咳(咳嗽)に対しては、抗ヒスタミン薬(アレルギーの薬です)と、気管支拡張作用を持った喘息に効くステロイドが入った(血液中にはほぼ移行しません)吸入薬、あとは咳、はつらい症状なので、咳止め(と痰切り)を処方するようにしています。

あとは喫煙歴などから、慢性閉塞性肺疾患、要は肺気腫、の存在がもともとあった可能性なども考えます。

まずは症状をとめないといけない、という原点で、その治療をしながら原因を特定していきます。 医師にとって、その場しのぎは許されない、と思っています。 (これは他の職業でも同じだと思います。 偉そうに医師だけ、といって不快にさせる文章になっていたら申し訳ありません。 どんな職業の方でもプライドをもって職務に全うしている、と思う性善説で私は思っていますが、そうでもない会社があるのは事実です。 医師でもそんな人がいます)

残念ながら私は7年間、眼底鏡を使ってないので、鼻腔鏡、耳腔鏡のみしか使えません。

お金はかかりません。 聴診器を使うような感覚です。 鼻風邪かアレルギー性鼻炎かの鑑別に有用ですし、耳の腫瘍を9月には指摘でき、紹介して手術予定となっている方もいます。

私の専門は循環器と消化器内科です。 その中でも、誰にもまけない、と勉強をして、研鑽もしているのが、心エコーと心臓リハビリ、腹部エコー(私が膵臓の見逃しを防ぐ方法を7年前にfacebookで載せていたら、今現在そいういったものが標準装備されている機器もあります(別に私の投稿を見たわけではないと思いますが、当時は膵臓専門の医師も思いつかなかった方法です))、そして胃カメラです。

しかし、かかりつけ医として、それだけで患者さんを見えるわけはありません。 心エコーが専門といっても、急性心筋梗塞を医師一人で何度も対応した経験などがないと緊急に弱い医師になっていたでしょう。 さらに、耳が痛い、という患者さんに、「耳鼻科に行ってください」は正しいようで、私の中では間違いだと思っています。 まずは自分でみて、どういう状態なのかをみてから紹介する、のが正解だと思っています。

昔の医師はそれこそ万能で、さらに自分の得意分野を持っています。 私はそれを目指して、今の医師が「自分の専門外はみない」ということをせず、専門医とともに研鑽して、万能タイプを目指すことを試みた結果です。
そのためには、その病院で最も優れた技能をもっていないといけません。 それが私にとっては「心エコー」だった、というわけです。 何かその大病院で最も優れた技能、技術を持っていないと、それを軸に万能タイプに今の時代なりたくてもなれない、というのが私の持論です。