私が徳島大学病院や四国こどもとおとなの医療センターで勤務しているときは、救急外来に受診された方を入院にせずに、帰宅させた場合は、必ず理由が必要でした。 救急外来に来るほどですので、帰宅させていいことはありません。 患者さんが拒否した場合や、明らかにコンビニ受診の感冒などは、患者さんも入院したくないのでいいと思いますが、基本は入院を念頭におきます。 それが上の先生の教えでした。 理由もなく入院にしなかった医師は週に一回のカンファレンス(話し合い)っで、こっぴどく怒られていました。 私も怒られて当然だと思っていました。

医師の中には、最終拠点病院なのに、「自分の入院患者が増えるから」という理由だけで、入院希望者を断る医師がいました。

高齢者の気管支炎に対して、入院が必要だと思いますが、私が大病院の外来や日勤の救急当番、夜間の当直や、当番をしていたら必ず入院としますが、通常はそうでもありません。 実際に集中治療室の患者さんが私の担当だけ、というときもありました。 私は医師の2、3年目を父親の診療所で勤務していましたので、如何に開業医の医師が入院が必要だけども断られるので病院探しをする大変さを知っていました。 それに加えて徳島大学の医局の方針が全く同じだった、というだけです。

救急病院で、急変の恐れがある人のために、ベッドを空けておく、また医師の負担を考えて、帰す、という考えも一理あると思いますが、百理はないと思います。
これはあくまで私見です。 自分がみれる自身がなかったり、専門外だから、という理由もあるのだと思います。 私は専門外でも、専門医と一緒に見ていました。 そういったことをしないと「内科」を標榜してはいけないと思います、開業するときに。

下手くそ医師が撮ろうが、何年も修行した技師が撮ろうが、エコーの料金は同じ。8.800円。

その3割を払う必要があるわけです。 海外では、専門医が撮ると10万円で、まぁ保険でカバーされるわけですが。 非専門医の場合、1万円とやはり高い。 まぁそれくらい、エコーは同じ画像が出せれても、何を考えるかが大事ってことですね。 心エコーは、癌がないから、特に人によってどんな画像がでるか、はほぼ変わらない。 これが変わる人はまだ勉強中ってことです。

私が外来でコストなしの心エコーをする理由は、横になってもらった方が聴診(心臓に限っては)しやすいことや、心臓の動きだけでなく、左房から左室へ吹く血流速波形の速度の絶対値やパターン、また血管のボリューム(脱水気味か、溢水気味か、正常範囲か)は経時的ににないとわからない(人によって血管の大きさが違う)ので、毎回毎月、コスト無しの心エコーを6ヶ月している人もいます。 あとは、大病院でその方はお金をエコーで払っているので、またエコーかよ、って私なら思うので頂かない、というのもあります。 その代わり、主治医としてはその方の心臓の動き方を実際にエコーで診ておきたい、と思うからです。

調子の良いときだからこそ、心エコーをみてもらっておくと、何かあったときに比べられる、という利点もあります。

 

 

少しだけ浮腫みがある、ということなら、ほとんどが、塩分過剰摂取、足を下にしたままの姿勢で仕事などをしている、足の筋肉が弱く汲み上げれない、お腹が出ている人は腹圧が高く足の血液が心臓に到達しにくい、などです。 対処法は、塩分を過剰に摂取しない、仕事中などに立ってかかと上げなどの足の筋肉を収縮させる、弾性ストッキングを履く、痩せる、ことです。

しかし、以前より明らかに浮腫みがひどくなって来た、また足がテカテカになるほど浮腫んでいる場合は病的な浮腫です。

何を考えるか? 心臓、腎臓、肝臓、甲状腺、腹腔内の悪性疾患(があって静脈を圧迫している)、下肢自体の問題です。

腎臓は顔も浮腫むことが多く、肝臓の場合は黄疸といって体が黄色くなることが多く、甲状腺は脈が早くなっており、腹腔内の悪性疾患などの場合は全身が痩せていることが多く、下肢自体の場合は頻度が非常に少ない、ということから、まずは心臓から調べることになります。

ここで、医療関係者は「サードスペース」という言葉を知らない人はいないと思います。 間質に水が溜まる、というときに、その間質=サードスペースというわけです。 では、ファーストスペースとは? セカンドスペースとは? はあまり知られていないことだと思います。 循環器専門医なら知っていて当たり前ですが。 ファーストスペースとは細胞内のことで、浮腫みで大事なのは、セカンドスペース、血管内の血液量です。 これを心臓超音波のときにみます。

私は、アメリカ心臓病学会の3段階評価も大事だと思いますし、なによりも、静脈の呼吸性変動といって、息をするときに静脈の大きさが変わるかどうかを評価しています。 まったくセカンドスペースに血流量が少ない場合は心臓疾患ではない可能性が高い、と考えますが、心臓自体の機能も大事なので、一概に言えないので、総合的な診療が大事なのです。

多い時で、月に10.000端末(一人がスマホとPCから見ていたらそれは別と見なされますが)、少ない時で4.000端末から見ていただいていることが毎月わかるため、間違ったことはかけないな、と思うと同時に役に立つ情報を発信しないと意味もないな、と思っています。 あとは読んで面白いかどうか、だと私は思っています。 市の役人の講義は(本当に)つまらないけども、医者のつくった学会は喋り方に抑揚があり、眠たくならない、というのに似ています。
さて、医者の知識をもって、私が患者側になったときシリーズですが、例えば「高い高血圧をそのままにされたくない」です。
ただ、血圧は140以上ないとダメだ、そう週刊誌に書いていた、という患者さんもいます。 そういうケースは非常に困るのですが、高血圧でいいことなど一つもないことを知るにはどうしたら? と夜考えることもあります。 1日救急体験、などどうでしょうか? 高血圧が原因で心不全、脳出血、脳梗塞 などをみると、自分だけの話ではない、と実感できるのではないのでしょうか? 胃カメラもそうです。 ピロリ菌除菌後胃では年間1-2%の確率で胃がんができています。 なので1年に1回の胃カメラが推奨されており、同時に食道がんも見つかることもある検査です(バリウムで調べる気に医者ならならないはずです)
私も除菌後胃なので、1年に1回胃カメラをしてらわないと不安で仕方がありません。 さらに大腸がん検診で、2回中1回でも陽性がでたら大腸カメラか大腸CTをうけるべきです。 今大腸ガンの罹患率が非常に高い、という事実を知っていたり、大腸カメラをしていたものからみると、この時点でポリープを除けておいたらあと1年は安心だ、というところで寿命が相当伸びます。 乳がんはマンモグラフィだけではだめです。 そのマンモグラフィをもとにして、エコー検査をするのです。 エコー検査だけでも見逃しがあると思います。 検診などで、大丈夫、と書かれているのは、撮れた画像の範囲で、という意味です。 人間明日は誰も何が起こるかわかりませんが、早期発見で対処できるのにそれをしないことが、自分だけでなく、周りの人も不幸にする、ということも医師として体験してきました。 医師が言えることも、限りがあり、強制力などありません。 私が元教授などなら、いいのかもしれませんね。 説得力があるかもしれませんが、教授になるためには、ある分野、とくに基礎研究で、臨床ではないことに特化しないとなれません。 総合的に臨床で、夜も寝ずに救急に従事したら教授になれず、特化したことをしていたら教授や研究者にはなれる可能性が高いけども、自分が視える範囲が相当狭まる、ということです。

目の瞳孔が、心臓の収縮期(心臓が血液を拍出する時)に小さくなり、拡張期(心臓が大きくなる時、広がって血液を貯める時)に大きくなる「身体所見で」です。

これは、「大動脈弁逆流症」が高度なときにでる所見です。
一般のひとでも、瞳孔を鏡でみると心臓の拍動にあわせて、小さくなったり大きくなったりするので、わかりやすいと思います。ただ、だいぶ進行した状態でないと見えない所見ですので、「この所見がないから、心配ない」と思わないようにしてください。

どちらかというと、医療関係者が知っておくと便利、というサインです。 youtubeでもみえます。