海外では、「先発品と同じ」と言ってはいけない国、州もあるようです。 日本はジェネリック率が低いようですが、別に高ければいいとかは個人的には思っていません。

それよりも、循環器内科医として思うのは、「大事な薬」はジェネリックにしない方がいい。 と思う次第です。

たとえば、「フランドルテープ」というものがありますが、これは先発品では透明ですが、なんか湿布みたいな正方形でもない長方形のジェネリックがあります。 これに変えて(患者さんの自己判断で)、胸痛がでた人、かぶれた人が何人もいますので、貼る薬、湿布もそうかもしれませんが、心臓を守る大事な薬は、ジェネリックにしない、ということが大事かな、と思います。

あとは、アムロジンという薬ですが、これは一般的にアムロジピンというジェネリックでも問題ないと思います。 実際に配合剤に入っているのは先発品ではなく、ジェネリックです。 しかし、アムロジピン10mg というとんでもない薬があり、使用されている患者さんをみました。 調べてみたら、一つの会社が作っており、原価がものすごく安いのです。 ちょっと危ないな、と個人的には思いますので、避けた方がいいでしょう。 安いのは訳がありそうですから。 5mg 2錠の方がよさそうです。

あとはコレステロールの薬(いまだにメバロチンという薬が出ることがありますが、これもどうかと思います、いろんな理由からコレステロールを下げる以外の多面的効果が期待できないからです)は、クレストールという薬は、ジェネリックをオーソライズド・ジェネリックという先発品とほぼ同じものにかえれるので、悪くない、と思います。

 

私は日本心エコー図学会とヨーロッパ心エコー図学会のreviewer(査読者)をしています。

どんなことをしているか、というと、編集長(Editor)が、選んだ査読者にその雑誌に投稿してきた論文に評価して、直すところを書くこと、です。

もっとも偉いのが、Cief-Editorで、Editorは数名、reviewerは何人いるかは不明ですが、留学中に中国人に聞いたら「中国ではすごく名誉なことだから、肩書きにしている」とまで言っていました。 もちろん、ボランティアですが、そういった依頼がくるのは、自分が論文を投稿している、また以前の査読内容が適切であった、などだと思います。

ちなみに、今年は2回査読依頼がきました。 英語なので非常にストレスですが、自分がレスポンスできるものなら、査読させてもらうようにしています。

 

15年前から私は咽頭所見を重要視してました。 論文にしようと思ったら2011年に北海道の開業医の医師がしていたので、できず。 その後、大病院でも追試の検証が行われた論文もでています。

医師はインフルエンザの診断をどう考えてしているのか?

医師によって違うと思いますが、インフルエンザのキットだけで診断する医師は内科ではありません、断言してもいいです。 通常は迅速キットにくわえ、症状や周囲の環境を考えて、キットが陰性でも診断するのが最低限の診断方法です。 そこに咽頭所見を加えるのが今後は主流にやっとなってきそうですが、慣れてない医師のもとではそれは無理でしょう。
例えば、昨年のインフルエンザの咽頭所見は例年と違っていた、と言える医師が咽頭所見を語ってもいい、と言えます。 昨年の咽頭所見は咽頭の奥にできる小水疱が小さかったのです。 今年はまだ流行とまでいっていませんが、咽頭所見をみていくのが重要だと思います。

余談ですが、今年の「感染症」の雑誌にやっと、咽頭所見でわかる、という特集がのりました。

それをみて、生兵法で診断をするのは危うい医療行為です。

海外ではインフルエンザは「家で寝て入れば治る」という感覚なので、咽頭所見をみないのです。 日本独自の診断方法です。 一部の内科医(本当に少ない)や、感染症専門医がしてもいい診断方法だと思っています。

循環器内科医は腹痛に弱い、を払拭するために、もともと消化器内科医を目指した時期もあり、それを元に消化器内科(癌治療含む)、一般内科(糖尿病治療含む)を同時にしていました。
働き方改革などがある前でしたので、24時間気が抜けない状態で、海外の発表もしながら、循環器内科を軸に、内科を標榜するために血液内科研究会にも香川で勤務しているときは出席していました。

循環器内科にも眼科にも、消化器にも、得意分野があります。 私はカテーテル治療から入りましたが、そのレベルを維持、また技術を上げながら超音波検査を専門としています。 心エコー検査だけでなく、腹部エコー、頸動脈エコー、甲状腺エコー(細胞をとることもしていました)、下肢静脈エコー(今は時間的な問題で予約外の緊急例のみしています)、はては乳腺エコーまでしていました。

内科の中でも、循環器内科だけは特別です。 癌を診たくない人が選ぶ場合もあります。 腹痛の方を見る自信がない人が圧倒的に多いのが事実です。 胃カメラ、腹部エコーができない場合、内科を標榜してもいいのかな?と思う次第です。
ちなみに以前も書きましたが、当院から大病院に紹介する患者さんは悪性腫瘍:循環器疾患:その他=5:4:1という割合です。 循環器の紹介が少ないわけではなく、2019年に私の論文のスライドが学会のスライドで使われた実績もあります。 「循環器だけでは駄目」という趣旨です。

東京に出張して、講演会を聞いてきました。 非常に勉強になりました。 どうしても開業医は書物や高知での講演会だけ、にinputが偏りがちですが、こういった会に出席させてもらえる機会は非常に重要です。 実は土日と内科学会があったのですが、認定医の点数を稼ぐことで出席するだけよりも、東京の会を優先させた次第です。

やや弾丸ツアーでしたが、東京での友人たちとも話ができて、他科のことも非常にわかりやすく話ができてよかったです。

実りある土日でした。

題の減らすエビデンスとは、講演会の一部で言っていたことで、薬を減らしても大丈夫かどうか、ということです。 できるだけ薬は少ない方がいいものの、絶対に飲んでないと「ヤバい」ものまでありますが、絶対に飲まないといけないもの以外は減らして見たら、いいことがあった、という論文が昨年から今年にかけて誌面を騒がせています。