国の感染症対策の本部が他国と比べて遅れているかどうかは私はそういうことは経験がないので分かりません。 他国のいいものは取り入れて、もともと悪くなかったものまで変える必要はない、と思っています。 今の感染症の体制を非常に悪く言う医者(というか臨床をしらない研究者)も多くいますし、本当のことを知った上で非難する、研究者兼臨床家の医師もいます。
医療従事者として、患者さんをみる立場であることから、感染症には気をつけるべき、という意見はしごく当たり前だと思います。 しかしどんな医療従事者でも、それは厚生労働省のトップでもプライベートもあれば、仕事で家にずっと込もれない場合もある、ということを知って欲しいと思います。

高知県は最初に医療従事者が感染したことから、医療従事者に対して、「自覚がたりない」という風潮があるように思います。 しかし今回のケースを責めれる人はいないと私は思います。

相模野原中央病院の職員はひどい差別を周辺住民や店舗でうけたそうです。 仲間であるはずの医療機関からも無視を決め込まれたような状態だったそうです。
人間、有事の際にその人なり、がわかる、と今回の感染症騒動で改めて思いました。

高知県はどうでしょうか? 返盃は一時的にやめたほうがいいでしょう、とだけ。 それ以外の発信はされているのでしょうか? あまり期待できませんね、、、

ACE inhibitors as a potential risk factor for fatal Covid-19

という題名です。 どういうことかというと、○○プリルとか、○○サルタン という、ACE阻害剤やARBという最新の降圧薬を飲んでいると、ACE2という体の細胞の表面にあるタンパク質(レセプターと呼ばれるタンパク質です)が増えることは以前から言われており、新型コロナウイルス がそのタンパク質に感染することが判明しました。 高齢者が重症化しやすい(免疫力が弱いような疾患を持つ人はあまりクローズアップされなかった)のは、高齢者は高血圧で上記の2種類の薬を飲んでいる可能性が高いので重症化しやすいのでは?と言及しています。

高齢者というより、高血圧でこの薬を飲んでいる方はより注意した方がいいでしょうし、単に血圧を下げるために飲んでいるなら今の時期は変更を考えてもいいかもしれません。 ただ、心疾患で飲まないと心臓病が悪化する可能性のある方についてはデメリットが多いように思いますので、主治医と相談してはどうでしょうか?

 

3/16 追記です。 上記で混乱される方がおられるかもしれないと思い 追記させていただきます。 たった一枚の論文であり、机上の空論の可能性もあり(理屈はあっていますが)、必ず降圧薬を変えたほうがいい、というニュアンスの英文論文ではありません。 血圧が安定している患者様にとっては内服薬は変更しない方がいい場合の方がいいとも思いますが、要注意の論文の紹介、として受け取ってもらえばいいと思います。 内服しておられる患者さま、また処方しておられる医療機関さまにとっては不安を煽る投稿であったことをお詫び申し上げます。

当院院長である私に、コロナウイルス 特集緊急雑誌発売の原稿依頼がきています(四国ではおそらく私一人のようです) 今現在書き終わって、吟味している段階です。

当院では、車できていただいた患者さんには、携帯番号を聞いて車で待機してもらうことをしています。 携帯が通じなければ、順番のときに職員が呼びに行きます。 また待合室が割と広いので、隣同士座らないように工夫しています。 咳がひどいかた、車できてなくて通常の待合で待機したくない方は言っていただければカーテンではありますが、隔離した場所を3箇所設けています。 0.1%次亜塩素酸、アルコールでの消毒を徹底し、私自身も昔から続けていることですが、患者さんに触れる前に手指をアルコール消毒して、聴診器も消毒しています。 診察の間に石鹸での手洗いをしています。
当院では、循環器疾患や糖尿病患者様が多く、ご高齢の方の健診もしていますので、「コロナウイルス 感染症の可能性がある方」についてはまずは電話をして、可能性が極めて低いかたにつき診察させていただいています。

通常の診療に来た方が危険にさらされないようにするためです。

現時点では、政府の意見はあやふやで、私自身は「クリニックで診断できない病気をみることはその方にとっても、マイナスである」と思っていますので電話をしていただく方針とさせていただきました。

私の現時点での考えですが、政府はオリンピックのことや、ゴールデン・ウィークの経済面を考え、4月の第3週あたりに、「この新型コロナウイルス は、あまり恐れなくてもいい。 季節性の風邪、ということになっていくでしょう」という見解をだすと思っています。 ただ、そのときに当院の方針を変えるかどうかは私が情報を仕入れて判断させていただきます。
風邪症状をみない、というクリニックもありますが、当院ではそのようなことはありません。 報道でもあるように、濃厚接触者でない、また電話をいただいた方で問題ないと判断した方、「コロナウイルス とはほぼ思う節がない方」などは気管支炎になっている可能性があり、自宅待機を4日間、37.5度以上の場合、は私は間違っていると思いますので(論文の報告で平熱より1.3℃高い場合、持病がある方、3日目でよくならない方、普段の風邪と痰の色が違っていたり症状が違う方は早めに受診してください。 喘息性気管支炎になっている方や、肺炎球菌が原因の肺炎になっている方も多くみられます。

渡航歴や、コロナウイルス 感染者との接触、また濃厚接触者との接触がある方の、上気道症状(風邪の症状:熱、咽頭痛、頭痛、咳など)がある患者様は、現時点では一般のクリニックでは、診断も治療もできません。

2009年 新型インフルエンザウイルスが流行し、今は季節性のインフルエンザとなっていますが、新型コロナウイルスについては、ワクチンや抗ウイルス薬がないこと、致死率がはっきりしないことから、現時点では当時のインフルエンザよりもより危険、とみるべきでしょう。

いずれは、「流行性の風邪」と数シーズン後にはなって、定着する可能性がありますが、現状はそこまで世間(というか世界)の反応は行っていません。

よって、検体を採取して検査するには防護服が必要だったりする現状、「新型コロナウイルス の可能性がある」と思われる患者様に関しては、まず我々医療従事者もそうですし、持病をもつ患者様に危険を与えてしまうことになるため、この疾患はクリニックでも診断ができ「流行性、季節性の感冒」という概念を日本が提唱するまでは、電話相談のうえ、対応できる病院を斡旋してもらって検査をするべきだと思います。

それが、本人様、医療従事者、通常の通院をしている患者様みんなを守ることに繋がります。

その期間が3月末か4月初旬と外来で言っていましたが、どうもあと少なくとも1ヶ月以上は最低でもかかりそうです。

また新型コロナウイルス についてはブログを書かせていただきます。

皆様のご理解をなにとぞお願いします。

薬のプロモーションで、利尿効果があるので、心不全に使用できる、という医師もいます。

実際に、私が経験した中で、入院中にラシックスという強力な利尿剤を投与した後、この薬だけで治った人もいましたが、これは最初のラシックスが効いたのと、安静にして減塩にしたこと、が大きいと感じています。

裏付けるデータもあります。 内服しだして、3日目で尿量、尿中Na(ナトリウム濃度)がやや多くなる(しかし統計学的には変わらない結果)がありますが、7日目では全く変わらないのです。

つまり、腎臓を悪くせず、利尿作用も期待できる、心不全になりにくい、糖尿病の薬、として考えた方がいいでしょう。

hANP(ハンプ)という、点滴の薬があります。 これも利尿作用を期待する医師がいますが、間違い、と言い切ります。 この薬は3つの効果とプラスαの作用があり、①RAS系抑制(心不全時の悪循環をとってくれる) ②血圧効果作用(血管拡張作用。これは低血圧になることが、限定された患者さんでおこり、副作用と考えた方がいいのですが) ③おまけの尿がでたらラッキーの利尿作用)と血管新生などのプラスアルファです。

この薬のように、SGLT-2阻害薬に心不全治療に過度の期待をしてはいけません。 飲んでいるといいことが起こる、という糖尿病の薬、他の糖尿病の薬よりは優れている、という認識がいいでしょう。

あくまで、尿をだすのは、ループ利尿薬(ラシックスなど)とサムスカ (ループ利尿薬に合わせないと意味がない)だけです。