今現在、症状がない人を、PCR検査以外で感染状態であることは確認できません。 そのPCR検査も確実ではありません。

現時点では、症状がある人には、胸部レントゲン<PCR検査<コロナウイルス をよく見ている医師が読影するCT検査、とされています。

ただし、PCR検査がやはり確定診断には重要です。 PCR検査をするかどうかは、その医師の判断によります。

当院からCT検査は取らずに炎症反応が強く、レントゲンで、まず違うだろけども、時代が時代なので、保健所に連絡してコロナウイルス のPCR検査やCT検査をしてら持った方もいます。 結果は 肺炎球菌による 肺炎 で、 コロナウイルス では全くなかった、という結果でした。

現在、「自分はコロナウイルス ではないか? 著名人も死んでいる、怖い」というストレスが相当な人にかかっていると思います。 当院としてできることとしては、①まずは電話相談823-9300 に電話してもらい、②一般の開業医にかかってもいいかどうかを判断してもらい、③問題ない、ということならみさせてもらう、というのが一番 当院にかかっている他の患者様にとってもいいと思っています。 ①の段階でPCR検査をした方がいい、というような方は、当院がかかりつけだとしても、行政に従ってください。 それが本人様のためでもあるし、高知県のためでもあります。

コロナにかかった人が悪いのではない、それを差別するのが悪い、と思っています。 ただ、本人に他の人に感染させてもいいや、という気持ちにはなってほしくない、と思います。 なので、行政に電話相談が大事であり、その行政がしっかりしてもらって、経済のこともあるでしょうが、日曜市やひろめ市場を3日間だけしめて、その後は解放する、という行為には医療従事者としては呆れ返っています。

珍しい仕事を縁もありいただきました。 その後、日経BP社様から取材をうけました。 ランキングするにあたり、医師の目からみてどうか、というものでした。 私の推した、ブラック・ジャック、メスよ 輝け!、最上の命・明医 のうち、2000年からのしばりで、ということで、最上の命・明医のみがランクインされる形となりました。

医龍、ゴッドハンド輝、Dr.コトー診療所 が 次に続き、コウノドリやはその後に、ラジエーション・ハウスやブラック・ジャックによろしく、が続き、最後にJIN(仁)があり、それ以外はほぼ、同じかな、と思っています(2000年以降連載で、医療あるある、のような漫画はまた別、ということでした)

私の中での基準としては、主人公度の高さ(これは、人間みな自己満足で生きていると思いますが、その中でも最も尊い自己犠牲が強い、という点が医者には求められる、という点、で、間黒男(B.J)に敵う主人公はいないだろうし、日本人ならブラック・ジャックになってしまう、ということで2000年からという縛りいしたそうです)、また漫画が正しく、社会に影響を与えたかが2点目です。 3点目は面白かったかどうか、という基準です。

いい経験をさせていただきました。 医療漫画とあなどるなかれ、非常に漫画(活字しか読めない人もいますが)だとわかりやすい場合があるのです。 これを グラフィック・メディスン(英国で始まった考え方です、医療を漫画でわかりやすく、という意味です)と言います。 2020年は手塚治虫先生がかいた、きりひと讃歌 という日本で初めて医療を題材にした漫画が始まって以来、記念すべき50周年の年の年なのです。

私の予想では、4月の第3週に「大丈夫でしょう」と政府が言う、というものでしたが、そうはなりませんでした。 そして、オリンピックまでが中止になるとは思いもよりませんでした。 ちなみに私が残念なのは、オリンピックのバスケットボール観戦に当たっていて、京都赤十字病院時代の先輩や、大学時代の後輩(みんな将来は教授になりそうなほど、優秀で、びっくりしますが)と4人で集まることにしていたことです。

さて、医療漫画のレヴューという珍しい仕事を依頼いただき、またそれについても一定の評価をいただいています。 そこに付け加えないといけない医療漫画が出てきました。 「婦女医」という杏林大学の現役の外科医が自分で漫画を描いているものです。 医者から見ると、医者あるある、なのですが、女医さんで外科医でバリバリやりながら、その夫も外科医で子供が2人というかなり大変な生活で、一般の方にとっては相当面白いのでは、と思っています。 平均睡眠時間が3時間と書いていますが、おそらくそう間違いではないと思います。 ちなみに医師の当直というのは「基本的に外来業務などがなく、落ち着いて寝られること」と書かれていますが、本当に当直している医師を見たことがありません。 平均7台くる救急車のうち、まぁ4-5台がが内科系とすると、私は救急車でくる人を入院にしなかった経験があまりないので、1日当直すると4.5人入院が増え、そのまま次の日の外来や検査、治療などの日常業務に入ります。 恐ろしいのは、その業務中は、国立病院でも「休日」とされているところです。36時間くらい働いた後も夜呼ばれるので、もうそんな日は心エコー室で寝るしかありません(当直室は他の人が使っているので) そしてシャワーをPHSが聞こえるようにして浴び、仮眠をとって、月に7-8回ある当直を凌ぎます。 自分がその場にいないと死んでいただろうな、という人も何人もいましたし、それが仕事を続ける醍醐味でもあったのかもしれません。

うつ病になる人もいました。 そりゃ上記のような働き方をしていれば、うつ病になります。 ちなみに医師の自殺率は相当高いのです。 働き方改革をすると医療崩壊が必ず起こります。 今の医療を支えているのは、私は大病院の当直をする医師、だと思っています。 人が嫌がる仕事をしているわけですから。

昔は「高コレステロール血症」などと言われていた病気の名前ですが、今は、コレステロールが低くても、善玉コレステロールが低ければ、「脂質異常症」となります。

その勉強をしていたのですが、基本的には、クレストール、リピトール、リバロなどの「スタチン系」という薬を使います。 中性脂肪(TG)が高い人には私は、サプリメント的な要素がある「ロトリガ」を投薬していただきます。 世界で初めて「運動中の不整脈」を減らした、という論文を私が書いて、その威力を実感しているからです。 ただ、TGを下げるには栄養指導が必要なことが多いのですが、生活を変えないと、ロトリガで減少するTGは目標の値にとどかない場合が多いのです。 そこで、パルモディアという薬が14日しか出せない期間が過ぎたので処方をしています(全員、スタチン系で、足が痛くなった、などの方です) 1日2回ですが、酒飲みの方には1錠朝だけにしています。 しかしながら6ヶ月の処方でほぼ全ての人が目標のTG値を示し、善玉コレステロールが有意に上昇し、悪玉コレステロールも減少傾向になっています。 弱点は「スタチン系」と併用注意なことです。 また、論文上は、糖尿病患者さんの微小血管の血流をよくすること、心臓の細胞内にある酵素活性をコントロールする、とあります。 一番驚いたのは、心筋障害を表す心臓超音波検査の結果が改善されていることです。 ちなみに、ベザトールSRとの比較をみてみたのですが、全員が後発品ということもあり、あまり効果が期待できない、という結論でした。 ジェネリック薬品を否定するわけではありませんが、こうして統計解析をしてみると非常にわかることがあります。 ただ、ジェネリックのベザトールSRは安いので、それは魅力なことはいなめません。