よく耳にする言葉なのですが、「とりあえず当たり障りのないことを書くか」なのか、「患者さんの立場に立つ」のか、書いている本人しか分かりません。 私自身は、たとえ後者だとしても、具体性に欠けると思ってホームページに載せたことはありません。 医師の主観が入る言葉で曖昧だからです。 言葉には重みがあると思っていますが、まだまだ私が「寄り添った治療をします」というのはおこがましい、と思う次第です。 それよりも、今の私には、一人一人の方に全力をもって治療にあたれるように用意を普段からきちんとしておく、その方の意思や思いを尊重する、ということが重要だと思います。 能力不足の医師に寄り添われても、医療側からの考えですが、「迷惑」だと思います。 究極、能力のある医師に手術はしてもらいたい、ということです。 ただ、能力のある医師が「寄り添う治療を」と言ったり、書いたりしていると、説得力があります。

経歴、経験、恩師は誰なのか など 聞けばその医師がきちんと研鑽を積んでいるかどうかは分かります。

大阪府で発表されたものですが、まだ論文にはなってないようですね、私の検索力不足なのかもしれませんが。

なので、私の知識と一般的なことを伝えたいと思います。

まず、肺炎の方のPCR陽性率ですが、喀痰や鼻咽頭の粘液、唾液で行ったのかが不明ですが、PCR検査の感度は70%が低いなどという報告もありますが、基本採取したものの中に死菌でもウイルスでもいれば、99%ちかい感度を持つはずです。しかし肺の奥の方だけの場合はいくら唾液や鼻粘膜から採取しても、その分泌物にウイルスがなければ「陰性」と結果はでますが、肺炎は存在する、という矛盾を生じます。(さらに陽性的中率が低いのがPCR検査の問題点です。 実際にウイルスに罹患している人、そうでない人を見分ける時にPCR検査をすると、99%の感度・特異度だたしても、陽性的中率は50%となってしまうため、感度を最高レベルと仮定してもその程度であるため、PCR検査が全てではない、とう人が多くいるわけです、「陽性者を見逃す確率が非常に高い」からです。

もう一点はヨードのうがい薬そのものの、問題点、です。 病院で処方できる、イソジンガーグル、にも、オーバー・ザ・カウンター(OTC、つまり処方箋がいらずにドラッグストアで買える)のポピヨンヨードにも、確かにウイルスや細菌を死滅させる効果はありますが、他の肺炎ではなぜ言われてこなかったのか? 私の知る限り(調べる必要性もないと思い検索していません)では、イソジンガーグルでうがいを1日4回していると肺炎が治ったという報告は聞いたことがありません。 うがいをする、という行為で口の中にいる微生物がいなくなり、PCRの感度を下げただけではないのか? という疑問点が残ります。

ヨードのうがい薬は飲むと危険です。 まずエタノールが入っています。 さらに悪い微生物だけでなく、口の中の常在菌全てを殺してしまうため、バランスがくずれてしまいます。 さらにヨードそのものの炎症を起こす作用があり、うがい程度ならいいのですが、飲んでしまうと食道をはじめ、胃腸の炎症を起こしてしまいます。

私がヨードカリ、を医療で使うのは、今はほぼありませんが、食道がんが胃カメラで怪しい時に散布チューブで染まらない部分がガン、ということをする場合がありますが、最近はNBIなどの胃カメラの進化でしなくてもほぼいい状態になりました。 しかしながらこの方法がベストだと今でも思っているので、NBIでもわからないけどもガンの可能性がある場合は使用します。 ただ患者さんは胸焼けがしますし、食道がんのリスクにもなりますので、全員にするのはナンセンスです。 また、バセドゥ病の方がなにかしらのきっかけで、クリーゼという超危険な場合にICU(集中治療室)に入ってもらい、鼻から胃に通した管を使って、ヨードカリを注入して治すことをしていました(循環器専門の医師でしている人は100人中1人もいないでしょう) ヨードを体内にいれることで、甲状腺ホルモンの産生を抑制する効果が速攻的にあるからです(具体的にはT4がT3になるのを抑制する、という専門的な説明になります) その間にメルカゾールなどの薬剤で甲状腺自体を治すわけです(メルカゾールはヨード注入から2時間は空けないと、逆に甲状腺ホルモンを作る方向にヨードカリが働いてしまうの要注意である) もちろん、甲状腺クリーゼで少なくなっている副腎ホルモンを先に投与(サクシゾン)して、血行動態(血圧や脈拍)を安定させることを優先させる。 もちろん、消毒にも使ったりなどするが、最近は治癒過程ではイソジンは使用しない方がいい、ことは当然、となっている。

ジェネリック薬品の会社は、今現在、貼る薬を作るのを苦手としています。 昨年秋に、生活保護者の方はジェネリック!ということが薬局で行われましたが、今までフランドルテープ の正規品を貼っていた10人中5人弱の人が、透明であるはずのフランドルテープ が湿布のような長方形の白いものに変わっており、胸の痛み、違和感がではじめた、ということがあり、当院では私から処方箋に、フラドルテープは先発品(ジェネリックではない)で、と書いています。 もちろんジェネリック希望の方は書きませんが。  ただ、命に関わる薬です。

貼る心臓の薬が、白い湿布のようなものがでたら、心臓に詳しくない、と思っていただいて結構だと思います。 そこで心臓の治療をするのは「私の身内なら」やめるようにアドバイスを絶対にします。

経験が大事なのです。 医者が若い、年をとっている、などは関係ないことです。

最近は、総コレステロールで、内服薬を決めることは「絶対に」しません。 LDLコレステロールという悪玉コレステロールで決定します。 実は特殊な医療機関で特別に保険が通ってない検査でVLDLコレステロール(超悪玉コレステロール)とういのを研究で測定した論文がありますが、これは、総コレステロールからHDLコレステロール(善玉コレステロール)を引き算した、non-HDLコレステロールと相関する、とされています。

ロトリガ、などのサプリメントに近い、DHA/EPA製剤でLDLコレステロールが上がる、という報告がありますが、上がらないという結果も出ています。実際私が論文で報告した内容では、LDLコレステロールは上昇していませんでした(傾向としてむしろ下がっている、という結果でした(それが全てではないのですが))

ちなみに、ロトリガで、もっとも悪いVLDLコレステロールは下がります。 なので、LDL値が変わらなくても、もっと悪いコレステロールは下がっているのです。

人によっては、コレステロールを下げる薬が飲めない人がいます。 そういった場合、ロトリガもそうですし、最近は、パルモディアという中性脂肪を下げる薬で、LDLが下がるという報告もされています。 実際当院で内服してもらっている方ではLDL  コレステロールは下がる方が多く、あがる人はまずいない、ということもあります。 ベザトールSR、リピディルなどの昔ながらの同系統の薬にはない効果です。

TRICKというドラマを学生時代見ていました。 私のジャンケン必勝法に、「相手に印象付けたサインは出さない」というものがあり、実際大学1年生の時にはバスケ部で負けなしでした。 その「トリック」に気づいた先輩(「恋する心エコーを共著した、今は栃木医療センター、その前には国立循環器病センターのCCUセンター長の足立先生です)によって初めて負けました。

最初はグー という時に、少しチョキを見せます。 なぜチョキか? もっとも印象に残りやすい、と思ったからです。

そうすると、相手は勝とうとして、チョキ以外を出します。 つまり、こちらはパーだけ出していればまず負けることはありません。 最悪あいこ、です。 これは、相手が自分の意思でだしたように思いながら実は操られていた、という、マジシャンズ・セレクト、を応用したものです。

TRICKのなかで、数字を印象付けて、「4」と「7」を選ばせる(マジシャンズセレクト)のはその場で分かりました。

あとは統計をとって解析することが私の趣味なので、朝のめざましジャンケンは3パターンでだしていますが、最悪あいこ、の統計結果がでました。 ぜひ、試してください。

相手が中堅以上のアナウンサー:パーかグーを出してくる  パーを出せばいい

俳優、女優、若手のアナウンサー:グーかチョキを出してくる グーを出せばいい

芸人、ミュージシャン:パーかチョキをだしてくる チョキを出せばいい

というものです。 タネを明かせば、結構簡単なのですが、統計は闇雲にとっていたわけではなく、相手の心理を読んでから、これなら結果が上手く出そうだ、と思ったから、統計を出したのです。 世の中には無駄な統計ももありますが笑 自分が面白いと感じて、統計をとる前に理屈があればまず成功します。

タネ、それは、自分を優しいイメージにしたい、という人は「チョキ」という、とんがったイメージ(ステレオタイプ)は出さないだろう、自分は意思が強いと思わせたい、という人は「グー」を出してくるだろう、トリッキーなものを出したいという人はチョキを主体に出してくるだろう、という考えから、です。 もちろん絶対の法則ではないのが、統計法ですが、負けないでしょう笑

私自身が医者なので、こういった言い方は不自然かもしれませんが、医師が病気について話すときには、自然とこのマジシャンズ・セレクトを使っているように思います。 あまり変なことはアンフェアだと思っていますので、自分で制御しています。 全く自覚がない医師もいることにびっくりすることがあります。 患者さんのことを思ってなら、良いと思うよ、という先輩の言葉もありましたが、医者がいう言葉の重みは結構ある、なので注意が必要、と思い診療に当たっています。 自覚していても、言葉の重みがない医師もいるでしょう。 そういうふうにならないように自己研鑽をするのみです。