糖尿病にもいろんな病型がありますが、大きく分けると、遺伝性ではない主に小児期に必ずインスリン治療が必要な1型糖尿病(自己免疫疾患なので、生活習慣が悪いなどではありません)、と、遺伝性をもち主に生活習慣が悪くて発症する2型糖尿病(ひどくなればインスリンが必要な場合もある)に大別されます。 日本人だと、この2型糖尿病の8%にSPIDDMが含まれるとされています。 SPIDDMは1型糖尿の亜型であり、生活習慣と自己免疫疾患の両方が関係して発症します。 1982年に虎ノ門病院の小林哲郎先生が見つけた病気です。

SPIDDMにも色々あり、主な発症時期は30-50代とされています。 2型糖尿病と思われいたが実はSPIDDMで、インスリン治療が必要な状態になってくる場合があります(なかにはインスリンが必要ないままの人や、離脱できる人も報告されています)

これは知っているか知っていないか、だけの問題、とも言えます。 診断基準にGAD抗体、膵島細胞抗体(islet cell antibody: ICA)のどちらかが陽性(経過中に陰性になる場合もありますし、最初は陰性で、ある時期に陽性となる場合もあります)ならば、治療方針が少し変わってくる場合もあります。

いずれにせよ、糖尿病治療をされていて、あまり良くならない、食事も全て頑張りすぎているくらい頑張っているのに改善がない、という方は一度相談に来てください。 「やっぱり家で食べているのでは?」「そうかもしれません、、、」 だけで、その日の診療が終わっている場合もあります。

少し不謹慎、と思われる方も多いと思います。 エコーセミナーの会社、クリニカルサポートの方から聞いた内容で、不謹慎だ、と思われる方もおられる、という話でした。 私は非常にわかりやすかったので、ここに書きたいと思います。

心臓は車でいうと、「エンジン」に相当する臓器です。 車の車検で「エンジンは点検しない」という方はまずいないですよね。 もちろん、心臓とエンジンは全く一緒ではなく、あくまでたとえなので、今の状態なら1年後ではなく2年後以降でもいいでしょう、となる場合もあります。 人間DOCで心エコーが入ってないのは、心電図、レントゲンで異常があれば専門医へ、とうことだと思いますが、心電図が正常でも心エコーが異常(逆もあり)ということはかなり多いと思います。

血圧が高いから内科医へ、のときに心エコーをしないのは、全くのナンセンスです。 また人間DOCで心エコーを「きちんと」撮れる、診断ができる人がいない(少ない)ということもあろうかと思います。

心電図もレントゲンも大事ですが、心臓カテーテル検査よりも、簡便で痛くなく、血のめぐり(血行動態)をリアルタイムで視ることができるもっとも優れたツールは心エコー検査であることは間違い無いでしょう。

まずは臨床、というのは、一般的に逆の言葉が基礎研究、となると思います。 実践的というのが臨床、マウスを使ったり細胞が遺伝子操作でどうなっているのかを見るのが基礎研究になります。 臨床医と基礎研究医以外にも、法医学科、病理学科などもありますし、医学部をでて、厚労省に入ったり、保健所で働くことも可能です。 ただ99%の医師が臨床医になります。 私は留学で基礎研究をしていましたが、血圧が同じくらい高くても、アンジオテンシンII(やアルドステロン)という物質が体内に多いマウスは臓器障害を起こしやすい、ということを目の当たりにしました。 血圧の薬を決める時にも役に立つ知識ですし、論文も今まで興味がなかった分野ですが読みやすくなり、結果書きやすくなります。 現:四国こどもとおとなの医療センターで働いていた時は、内科、循環器内科、で夜間当番(ちなみに私が当番の時は内科も循環器も兼ねていたので、診る患者さんが多かったのと、「それはうちの科じゃない」という先生と一緒の日に当番をしていると、どうしても当直している医師から私に回ってくる微妙なラインの患者さんも絶対に見ていたので、他科の先輩医師やもちろん後輩の医師に教えてもらいながら診断・治療をすることで治療はもちろんだが、実際に視たことがない、という疾患はかなり減りました。

さて、内科はイメージしやすいと思います。 外科はある程度診断がついてからの勝負、となります。もちろんより専門性の高い診断(内科医が弁逆流、と診断すれば、心臓外科医はどの部位がどのようになっているから逆流している、などの診断をします)をする、という印象です。内科医がバレーボールでいうとレシーバーやセッター、リベロなら、外科医はアタッカーということになります。精神科はその中には入って来ず、違うコートでバスケットボールをしている、という感じです。

高校の教師で言うと、理系が外科、文系が内科、音楽・美術が精神科となります。整形外科医は診断と手術を行っているので一概には言えませんが、それくらい違う、ということです。では心療内科というのは? これは精神科には行きにくいけど心療内科なら患者さん側からすると敷居が低い、ということになるため、精神科の先生が開業するときや大きな病院でも心療内科という科目が出てくるわけです。 しかし内科医でも心療内科的な治療は行います。 不安障害があったり、寝つきがわるかったり、うつ状態の方に治療をすることはかなり多く(というかそういう状態でない患者さんが、大きな病院で悪い病気をもっていると、少ないくらいです)、例えば昔はC型肝炎をインターフェロンを注射しながら治していましたが、自殺の可能性があるため1階の病棟で治療するのがいい、などです。精神科の病棟も1階が多いはずです。2階以上でも窓に工夫がされていたりするはずです。

私は内科の中で循環器だけにとらわれず、しかし循環器の心エコーと心臓リハビリを専門として重きをおき(もちろん当時の高レベルで心臓カテーテル治療も行っていました)、幅広く内科疾患を診てきました。

ただ今でもそうですが、精神科の先生に紹介する患者さんは確実にいる、というのが現状です。 私が加減した投薬をするよりも十分な治療薬やカウンセリング、さらには、同じような心療内科的なことでも、患者さんも安心しているな、と思う次第です。 私は内科と精神科、外科と精神科を同時に極めた医師を今まで見たことも会ったこともありません。 外科もこなす内科医、というのはたくさんいますし、その逆もですが、必ずどちらかが「専門」です。 またそうでなくては極められません。 そんなに医学は簡単なものではありません(みなさんの仕事もそうではないでしょうか? 野球でいうと二刀流で有名な大谷選手くらい珍しい稀有な存在です。ある意味、天才なのだと思います) 心エコー検査でも、心臓がポンプの働きをする、というイメージを循環器内科医以外は持つことが多いと思いますが(現状はそうでもなくなってきたと思いますが)、私ども循環器内科医からすると、ポンプというより、拡張する臓器、血液を吸い込んでその勢いで拍出する臓器で、心臓拡張期学というニッチな分野まで知らないといけません。

 

一宮ハイヤーという会社があり、地域密着のタクシー会社だな、と運転手の方もみんな素晴らしい人だと思いました。

町でながし、をすることが目的ではなく、一宮の人を優先的に乗車してもらうために、すぐに一宮地域にもどるそうです。

こういった地域の取り組みが住みやすさ、に貢献しているのだな、と感じました。

 

例年夏、6月の中旬頃からは血圧が下がってくる方が多いのですが、コロナで自粛していたためか、暑さに不快を感じた体の反応やその他急に暑くなったことなども関係し、例年より血圧が下がる時期が遅い人が多い、と感じています。

体が自粛で自宅内にいることが多かったこともかなり関係していると思います。

ただ、もちろん血圧が下がる人もおられます。 血圧は自宅で測ったものが、医療機関で測定したものより優先されます。

エビデンス(医療・治療の根拠)はまだまだ少ないのですが、65から75歳以上の方では、起きたての血圧が高くなる、血圧の変動が強い、急に立ち上がった時に血圧が下がりやすい、食後に血圧が下がりやすい、夜間の血圧が高いまま、などが報告、注意喚起されています。 血圧を下げすぎることも、よくないのですが、積極的に血圧を下げた(120以下)方がいい、という報告もあり一定しません。 他の疾患なども考えて血圧については処方を調節する必要があるわけです。 さすがにどの年代でも、他の病気がなく、血圧だけで降圧薬を飲んで110以下(早朝)は低すぎます。 私としては、自宅で起きたてで深呼吸をして135以下が望ましいと思っています。 これは一般的であり、その人その人で目標を決めるべきです。 自宅で140以上は少々高いと思います。 150以下ならいい、という方もおられるかもしれませんが。それはあくまで「参考程度」の医療機関で測定した値です。 他の疾患や飲んでいる薬のことも考えて疑問があればなんでも聞いてください。 たとえば、心房細動で血をサラサラにする薬を飲んでいる人は130以下にすることで脳出血のリスクを圧倒的に低くすることができたり、糖尿病の方は積極的に125以下にすることも推奨されているのです。

しかし、その人の症状(ふらつき)などもあり、それを考慮して血圧の目標は決定されるべきだと思っています。

※弁膜症があったり、肥大型心筋症の方は、心エコー検査を専門とする当院などの医療機関できっちりと診断し、高血圧に弱い心臓で弁膜症の進行や心不全のリスク増大がある、という自覚をもってもらうことも重要ですが、心エコー検査ができない医療機関ではそういった心臓の「中」がわからず血圧の薬を処方するのは、情報が少なく、不利、だと言えます。