自分も若いつもりですが、患者さんの年齢が自分より若かったりすることも多くなって来ました。
さて医学部を目指す学生さんへ。 私は私のなかで世界一の医者、また一人の人間として父親と母親が最も尊敬する存在だったので、母親がサポートしている父親の職業「医師」を目指しました。 それ以外の選択肢は全く考えていませんでした。

私が単に成績が良いだけなら今の自分の技量は身についていない、と思うと、二世医者といっても父親の影響は非常に大事です。

医師という職業はまだまだ守られていて、開業しなかったり、最終拠点病院や大学病院などで働かなければ、QOLの保たれた生活はできます。 私は最終拠点病院(そこを断られたら救急車が困る)や大学病院、開業医の院長としてしか働いていないので、詳しくは分かりませんが、小規模の施設の勤務医でバイトをしながら責任をあまりとらずに生活する、という選択肢があり、「守られている」ということです。

あとは自分の体のことが分かるので非常に医学という知識を持つことは生活に欠かせないもので、特をすることもあるかもしれません。

ただ、お金儲けをしようと思うなら、医師の資格はない、と思います。

それなら違う職業の方が「向いているから」です。 医師は人の命を預かるという重い責任があります。 さらにもらえる給料は開業医でも厚労省が決めた値段で医療技術が優れていても全く同じなので、腕の良し悪しは関係ない、ということになり、美容整形のように自由診療をしないと儲かる職業ではありません。

さらに医師は大抵の人間が世間知らず(知ろうにもその時間がない)であることも多いので、最近人気のない弁護士の方がなりやすいし、自由度が高いのかもしれません(working poorといって弁護士は飽和状態であり人気のない弁護士は淘汰されますのでかなり勉強をし続けないといけませんが)

医学部に入れる学力を持っているなら、薬学部にはいり創薬に携わることで医師を操れる存在にもなれます(作った薬を医師がだすので)

漫画家や小説家も夢がありますね。 私は医学書を3冊書いていますが、全て小説調で、恋愛、旅行、推理要素を叙述トリックを使った文体で書いています。 処女作「恋する心エコー」の物語は今見ても斬新です(笑) 全く読んでなかった高知を舞台にした「おもてなし課」(好きな人すみません。私は全く面白くなく途中で読むのを放棄しました、エンディングだけ読む行為もしないくらい)と似ている、と言われることがあります。 ただ私の方がややライトノベル調で、推理要素を叙述トリックで書いている分優れているな、と思ったほどです。

医師は世間知らず かもしれませんが、一回経験したことには、とことんこだわりを持つ人種が多いと思います(ソースは私) なので世間知らずから一変「このことには専門職よりも知識が多い」ということに一気に昇格することもあります。 優れた専門知識をもつ専門職には敵いませんが、あまり専門知識がない自称プロ、には負ける気がしません。

長くなりましたが、医学部に合格する学力を持っているなら、医学部にすぐ入るか、悩んでたの職業を考えることも大事だと思う次第です。

私は親が医師でなければ違う職業になっていたはずですから。

紹介状の返事、は患者さんは基本みえません。 医師間のやりとりだからです。 中には紹介状を書いても返してこないとんでもない診療所もあります。連携がとれないので、そういったところには患者さんのためにならないので、特に希望がなければ「どこがいいですか?」と聞かれると、そういったところには「絶対に」紹介しません。

なので私自身も紹介状や返事には気をつけて、どんな検査結果だったか、治療はどうしたらいいか、定期的な受診が必要か、なぜそうなのか(理由)を明確に書くようにこころがけています。

もちろん、患者さんの希望が一番です。 どこがいいかわからない、近くでなくても行ける範囲でお勧めはどこですか? という場合に限っての話です。

返事の内容に、内服薬が書かれていなかったり(薬の飲み合わせがわかりません、非常に困ります)、どういった検査をしたのかが書かれておらず、患者さんからの伝聞で内容を推測することになり、検査が重複することになることがありえます。

また、慢性膵炎の診断で、当院に紹介をうけ処方をしている患者さんに対し、「リパクレオンは飲む意味がないよ」(実際は採血検査でも効果が相当あることを患者さんに説明しています)や、「骨粗鬆症の治療がされてない」(実際はきちんと検査や治療もしているにもよらず、検査をせずに言うところもあります。患者さんが混乱しますので、紹介する意味が薄いのです)

紹介状の返事が稚拙なクリニックでは、「大きな病院や大学病院などで、きちんとした教育をうけなかったのだな。つまり腕もいまいちなのだな」と医師は判断します。 これは私に限ったことではないと思います。

 

この薬はバルサルタンという既存の薬と、血液中のANP、BNPの濃度を高める薬剤が配合されている薬です。

hANP(ハンプ)という点滴の薬があり、現:四国こどもとおとなの医療センターでは(でも、他施設でも)、心不全で入院になった方は必ず1週間の点滴をすることによって心臓や腎臓をまもる効果があり、「飲むhANPがあればいいな」と思っていたのが昔です。 それが2年前から夢のような話ですが、内服薬が日本でも承認されました。

おそらく、エンレストは今後、心不全だけでなく、高血圧についても「最も優れた薬剤」であることは間違いありません。

処方に関しては、使い慣れる、ことよりも、きちんと理論の深い知識がなくては、やみくもに飲んでもらうのは危険だと私は考えています。

内容容量を詳しく言えるのか、またガイドラインでいいとされてるから、で処方されるならそこで処方を受けるのはやめたほうがいいでしょう。

本日(木曜日)、エンレストの研究会で講演をさせていただきました。

大阪を中心に全国にwebで偉い先生の公演後、高知での発表をさせていただきました。

私が思うのは、既存の治療でうまくいっているからそのまま、という医療の考えは正しいようで間違っています。 より良い治療があれば、その手術方法や新しい確実により良い治療薬の存在を患者さんに知らせる義務があると思っています。 その情報を知った上で、また理解した上で納得できれば内服を切り替える権利が患者さんにはあるからです。

15年以上まえの治療をされてて今は状態がよくても、10年後20年後を見据えた治療を提案できるのがプロの仕事だと思っています。

「先生」と呼ばれる職業である以上、業務以外にも日常生活にも縛りが出てくるのは当然と思い仕事をしています。 また日常生活においても「嘘をつかない」というルールを決め、それを破ったこともありません。 それが普通であり、証明できるものもあるのが現状です(相手がつく「嘘」「間違い」の証拠がある場合は非常に残念により思います)

プロの仕事は業務上のことを相手の想像以上にこなすことは当然であると思い、今までそういったことをしてきた自負のあります。

「先生」と年上やもちろん年下、初めて会う人から言われる職業についている以上、言葉遣いはもちろん、「先生」に恥じない行動をとるべき、だと思っています。

上記は私の考えです。 至らぬ点もあるかと思いますが、日々心がけていることです。

患者さんにとってみたら(私も専門外(例えば歯科)は十分な治療をできるわけではありません)、医療の分野は患者さんの仕事とは全く違うので、わからないことが非常に多いと思いますので、十分な説明と、今後の展望を伝えるようにしています。

逆に患者さんの中に「医療はサービス業である」と思っている方もおられるかもしれません。 私はこの考えは間違い、だと思っています。

サービスには「召使い」という語源もあります。 医療・介護関係者は患者・利用者の召使いではありません。

サービス業と思うのはその人の考えもあると思いますので、考えを正した方がいい、とは全く思っていません。 ただ、スタッフ(私を含め)に対して、自分の召使いのような振る舞いをする方には、対等な関係、信頼関係を築けるはずもないので、サービス業として診療をしているクリニックでの診断・治療を受けていただく方が、患者さんにとってもいいと思っています。