オリオン座の左上がベテルギウス、リゲルが右下になります。 夜空を見上げて星座を観察すると平面のように見えますが実は奥行きがあります。 2つの星は350光年離れているので、「近そうで実は遠い」ということです。

医師と患者さんも診察室ではそうなっていないでしょうか? 近くに座っていても実は話している内容が医療用語だけで分からない、ということは、必ず存在すると思います。距離をゼロにすることは不可能だとは思います。 少し前はTV番組、最近は漫画、アニメなどでも医療知識が誰もが知り得るところとなりましたが、実際のところはこの10年変わってないな、と思う次第です。 それは医療の進歩が早く、さらに細かくなり、またどうしてもそのようになるのかが、解明されないまま進歩を続けているからだと思います。

ではどうすればいいか? それは医師がまずそういった事実を自覚することからはじまります。 その上で、最後に患者さんが理解できたかどうかを確かめる努力をするべきです。 途中の経過としては、「医師は知識力」を高めて、「真実を例え話などで分かりやすく説明」することだと思います。
一度の説明で分からないこともあるはず、というもの医師は理解するべきです。 なので、次回の診察時に質問がされやすい雰囲気を作ることが重要だと思っています。

当院は一宮地域ではめずらしく予約制です。ただ予約ができない方もおられるので、定期受診の方で予約なしで来てもらう場合もあります。

予約制にしているのは、「治療の1年の計」がたてられるからです。

簡単にいうと行き当たりばったりの診療にならないようにするためです。

予約でない方でも「1年の計」を出来るだけたてて説明をするようにしています。

私は地域医療とは

①「当院にかかりつけの患者さんファーストであること」 結果、当院近くの方が多くなるのですが、室戸や春野から当院を選んで来てくださる方もいるのが現状です。

②「完全予約制」にしないのは、そういったかかりつけの患者さんに対して責任を取るべきだと思うので、何かあったときに当院が視える時間帯などに対応できるようにすることと、かかりつけの方、また他クリニックや病院からの紹介を予約なしでみることが出来るようにするためです。 これも地域医療の一環だと思っています。

③最後に、治療する場合、かかりつけの方でも初診の方でも、高知県での最高、もしくはそれ以上の水準の医療の提供ができること、が地域医療だと信じています。

最後に。医療をサービス業とは私は考えていません。あくまで医療側と患者側は対等である、と思っています。 治療を終えて「ありがとうございました」という医療機関などありません。 サービスとは奴隷という意味もあります。 当院スタッフ(私も含めて)に対して、奴隷として振る舞う方はサービス業として割り切っているところで治療をうけるのが良いだろうと思います。 断ることを許されなかった(断ると他に行く病院がなかった病院でしか働いたことがない)経験しかありませんが、開業後2020年には医師の義務も変わり、またコロナウイルスのこともあり、患者さんのモラルとして、なんでもかんでも通常の入り口から入り、受付をして、待合室で待つこと が 正しくないことが当たり前になってきています。 ご理解いただけない方もおられるようですが、私の今の考えで納得できないなら、対等な信頼関係は築けないはずで、私の医療をうけても治るものが治らない、と思う次第です。

今現在、感染症の方もみていますが、他の通常受診の方と接触しないように心がけていますが、感染症をみる時間を決めていないので、物理的・時間的・場所的に診えない、という場合があります。 ご了承ください。

血圧を下げることは非常に重要です。 血圧を下げる治療薬の進歩で日本人は長生きするようになりました。

ただ最近の高血圧は糖尿病気質、肥満などがあり、20年前とはことなります。

ミネブロはコルチゾール(人間が自分の体内で作るステロイドホルモンです)を介した効果がある降圧薬であり、既存の降圧薬の効果もあり心臓保護効果にも優れています。 この薬を使いこなせる医師でないと血圧の管理に困った時に「このままにしましょう」と言われてしまうことああるのでは? と危惧しています。

循環器専門医(私は持っていますが、信用のためで、持っているだけで専門でもない医師もいますのでご注意を)でもこの薬を使ったことがない医師もたくさんいるようです。

自分も若いつもりですが、患者さんの年齢が自分より若かったりすることも多くなって来ました。
さて医学部を目指す学生さんへ。 私は私のなかで世界一の医者、また一人の人間として父親と母親が最も尊敬する存在だったので、母親がサポートしている父親の職業「医師」を目指しました。 それ以外の選択肢は全く考えていませんでした。

私が単に成績が良いだけなら今の自分の技量は身についていない、と思うと、二世医者といっても父親の影響は非常に大事です。

医師という職業はまだまだ守られていて、開業しなかったり、最終拠点病院や大学病院などで働かなければ、QOLの保たれた生活はできます。 私は最終拠点病院(そこを断られたら救急車が困る)や大学病院、開業医の院長としてしか働いていないので、詳しくは分かりませんが、小規模の施設の勤務医でバイトをしながら責任をあまりとらずに生活する、という選択肢があり、「守られている」ということです。

あとは自分の体のことが分かるので非常に医学という知識を持つことは生活に欠かせないもので、特をすることもあるかもしれません。

ただ、お金儲けをしようと思うなら、医師の資格はない、と思います。

それなら違う職業の方が「向いているから」です。 医師は人の命を預かるという重い責任があります。 さらにもらえる給料は開業医でも厚労省が決めた値段で医療技術が優れていても全く同じなので、腕の良し悪しは関係ない、ということになり、美容整形のように自由診療をしないと儲かる職業ではありません。

さらに医師は大抵の人間が世間知らず(知ろうにもその時間がない)であることも多いので、最近人気のない弁護士の方がなりやすいし、自由度が高いのかもしれません(working poorといって弁護士は飽和状態であり人気のない弁護士は淘汰されますのでかなり勉強をし続けないといけませんが)

医学部に入れる学力を持っているなら、薬学部にはいり創薬に携わることで医師を操れる存在にもなれます(作った薬を医師がだすので)

漫画家や小説家も夢がありますね。 私は医学書を3冊書いていますが、全て小説調で、恋愛、旅行、推理要素を叙述トリックを使った文体で書いています。 処女作「恋する心エコー」の物語は今見ても斬新です(笑) 全く読んでなかった高知を舞台にした「おもてなし課」(好きな人すみません。私は全く面白くなく途中で読むのを放棄しました、エンディングだけ読む行為もしないくらい)と似ている、と言われることがあります。 ただ私の方がややライトノベル調で、推理要素を叙述トリックで書いている分優れているな、と思ったほどです。

医師は世間知らず かもしれませんが、一回経験したことには、とことんこだわりを持つ人種が多いと思います(ソースは私) なので世間知らずから一変「このことには専門職よりも知識が多い」ということに一気に昇格することもあります。 優れた専門知識をもつ専門職には敵いませんが、あまり専門知識がない自称プロ、には負ける気がしません。

長くなりましたが、医学部に合格する学力を持っているなら、医学部にすぐ入るか、悩んでたの職業を考えることも大事だと思う次第です。

私は親が医師でなければ違う職業になっていたはずですから。

紹介状の返事、は患者さんは基本みえません。 医師間のやりとりだからです。 中には紹介状を書いても返してこないとんでもない診療所もあります。連携がとれないので、そういったところには患者さんのためにならないので、特に希望がなければ「どこがいいですか?」と聞かれると、そういったところには「絶対に」紹介しません。

なので私自身も紹介状や返事には気をつけて、どんな検査結果だったか、治療はどうしたらいいか、定期的な受診が必要か、なぜそうなのか(理由)を明確に書くようにこころがけています。

もちろん、患者さんの希望が一番です。 どこがいいかわからない、近くでなくても行ける範囲でお勧めはどこですか? という場合に限っての話です。

返事の内容に、内服薬が書かれていなかったり(薬の飲み合わせがわかりません、非常に困ります)、どういった検査をしたのかが書かれておらず、患者さんからの伝聞で内容を推測することになり、検査が重複することになることがありえます。

また、慢性膵炎の診断で、当院に紹介をうけ処方をしている患者さんに対し、「リパクレオンは飲む意味がないよ」(実際は採血検査でも効果が相当あることを患者さんに説明しています)や、「骨粗鬆症の治療がされてない」(実際はきちんと検査や治療もしているにもよらず、検査をせずに言うところもあります。患者さんが混乱しますので、紹介する意味が薄いのです)

紹介状の返事が稚拙なクリニックでは、「大きな病院や大学病院などで、きちんとした教育をうけなかったのだな。つまり腕もいまいちなのだな」と医師は判断します。 これは私に限ったことではないと思います。