季節によって血圧は変動します。 簡単にいうと夏は低く、冬は高い値をとります。

そのため高血圧の方は血圧を下げる薬を季節、季節の変わり目に変更することが重要です。 1年中ずっと同じ降圧薬がいい、という人はまずいません。

また血圧は高いより低い方がいい(降圧薬で低くしすぎるのは良くないこともある)という前提条件のもと、降圧薬には個々の患者さんにもよりますが、最も良い薬で、人体の細胞や組織の炎症、酸化ストレス、交感神経興奮、RAAS(レニン-アンジオテンシン-アルドステロン系)を抑制する薬で下げることができれば最もいいので、おのずど最初に内服してもらう薬は実は「決まって」いる場合が多いのです。

そのために基礎研究を海外でしてきました。 百聞は一見にしかず、まさに使う薬の優劣は明らかでした。 自身で基礎研究をしなければ、強くより良い薬剤の提案をできなかったかもしれません。 基礎研究は非常に重要です。 医師によっては医学生の時に少しすることがあるだけで(それも言われたことをするだけで、何をしているか分かっている生徒は少ないでしょう、私もそうでした)、医師になってからはまずしないことです。 論文で見ることはあると思います。 ただ自身で育てた細胞や組織などでの変化を見ることの重要性は経験しないとわからないこと、だと思っています。

南北戦争中に北軍にいた循環器医師、ダ・コスタ医師が心臓に器質的な異常がない(つまり現代でいえば、色んな検査をしても異常がない)のに、兵士が胸痛を訴える、という状態をダ・コスタ症候群、と言います。 2018年のブログにも書きましたが、心臓神経症と日本では言われている、とまでしか書いていませんでした。
この心臓神経症に関しては、検査が多くされ、その結果が問題ない、とされた場合その瞬間に痛みが消失する場合や、年齢や精神科疾患(不安神経症など)がある場合は最長で3ヶ月ほど痛みが続くも和らぎ、いつも間にか消失している、という報告もあります。

医療は確率の学問、行為であることは間違いありません。 その中で「不安」をとるのは検査であったり、精神科のカウンセリングが大きなウエイトを現代では占めているとも思っています。 精神科医の見解のうち、心臓神経症は存在せず、「パニック障害」という意見もあるからです。

当院では腹痛のなかには感染症による胃腸炎の方もおられ、その中にはコロナウイルス感染症の方もおられるため、車内で検査をさせてもらうようにして、一般の通院の方と動線が一緒にならないように工夫しています。

大変申し訳ありませんが、今現在も当日の通常受診や緊急受診(感染症以外)に対応しながらであり、発熱の方もみれるだけ診させていただいていますが、午前、午後、時には当院の昼休みの時間なども使用して対応させていただいていますが、受付が物理的、時間的に無理な場合があります。

何卒ご了承のほどお願い申し上げます。 電話をせず、そのまま受診(車でも)は避けてください。 みれない場合もありますので、ご足労をかけてしまうことになります。

特に多いのが僧帽弁という左心房と左心室の間にある弁の「逸脱症」や「接合不全」に伴う痛みです。 ずっと痛いわけではなく、狭心症なども否定されていて、「気のせい」とされることもあるのですが、かなり昔からこの弁膜症と胸痛の関係は言われていました。 私自身は心エコー図検査で僧帽弁だけをみて診断するのではなく、他の3つの弁をみることで診断力が上がる、と思っています。 それは僧帽弁以外に逸脱症がある場合、僧帽弁に異常がある確率が60-80% という報告(論文)が数多くあるからです。 胸痛と最も関係するのは僧帽弁ですが、ただの逆流症では痛みはありません。 弁の接合がうまくいかない場合に生じることがある(ない人の方が多い)ということです。 原因はまだはっきりと決まっておらず、心臓内の力学的な問題、弁同士のぶつかるときに発する問題、ホルモンなどの問題、などがありますが、治療はβ-blockerで心臓が激しく収縮するのを少しだけ優しくする、というのが一つの治療になります。 もちろん原因が分かれば痛みがなくなる人もいるので、様子をみていただく方もいます。

表題の学会が1/30(日曜日)に終わり、私は医師になって初めての発表の賞「座長賞」をいただきました。

こういったことは大変励みになります。 今まで2回大きな学会で40歳未満の若手優秀賞の候補になったのですが、いずれも1/4の確率だったのですが、すり抜けていきました。

当時は8:30から18:40までほぼ11時間webの学会だったので、自宅でスーツを着て座りっぱなしで食事も朝食しかとっていません。 来年は私が大会長をする学会です。