私はブログを論文を書いたり、書物をしたり、学会発表のスライド作りの最中に書いています。 私はブログを「

患者さん向け」に書いています、これは当然だと私見ですが思っています。 ただ医師のブログには、医療関係者をも唸らせる患者さん向けだけども、我々も勉強になるブログを書く医師もいます。

一般的なブログだと、「血糖値をさげる食事とは」「花粉症対策」「インフルエンザ対策」などだと思いますし、私はそれにプラスα(自身の論文や、他の医師の論文などの紹介で、より詳しく書くように心がけています)で書いているつもりです(でないと面白くないでしょう?) さらに、その日や直近で気づいたこと、飲み会で医師同士で話した内容などで面白かったこと、を、一般の人がみて、「実際に行われている医療の現実」をできるだけ書きたいと思っていますが、医療関係者(特に医師)が読むと誤解される部分もあるかもしれません(ただブログは患者様のためのものです) こういった医療行為に私はこう思う、という一般論を書いているだけです。

いろんな経緯があり、ブログも書きづらくなっている時代だと思うことがありました。 あくまで、気づいたことをネタにして、過去の自分の経験を書いているのですが、、、 患者様に読んで欲しいブログが、一部の範囲が書けなくなったことは、決していいことではないな、と思いながら書いています。
しかし、最近は以前書かないようにしたり、削除した内容に関しても、仲間内の医師間で話したことなどで気づいたこともあり、積極的に書いていこうと思います。 基本的には、2010年に私が危惧していた「心エコーができなくなる医師が増えることの危惧」「心エコーは緊急カテーテルをしないと重みがない(ずば抜けた心エコー技術は差し置いて)」「抗生剤はつかうことを前提をして、使わない理由が明確になったときに処方しない」という内容です。 一般的な最近の研修システムが以前と比べてどうか、などは、患者さんがわからないことで、「私が患者なら知りたい」と思うことを書くのが、ブログの意義ではないでしょうか?

冗談で「私にかかっていて良かったね」という医師がいます。 患者様にいうのではなく、医師同士でいうジョークです。 ただ、先週はそういった事例が多かったのでジョークではすまされないな、と思った次第でした。 勤め先で気管支炎で抗生剤を処方されるもよくならず、当院に来た患者様。私は一宮地区の方の抗生剤の耐性を知っているので(高知県でこういった試みをしているのは、現状私だけです)、「効果がある」薬を処方して改善した方。 また、半年前に24時間心電図で数分の心房細動があり、6分以内なら問題ない、という報告(しらない循環器専門医もいると思います)もあるのですが、心エコー検査で血栓ができる左心房の機能が低下している、と判断し、ご家族を呼んで、血をサラサラにする薬を処方していたのですが、「2日前から動悸がする」とのことで、時間外にこられ「頻脈生の心房細動」になっていました。 (12-)48時間で血栓はできる可能性があるので、動悸は治療で消失したのですが、血栓ができないような治療をしていたので、その方はもしかすると、私が処方を半年前にしていなければ、当院にこれずに、脳梗塞を起こしていた可能性が非常に高かったと思います。 また、他院から友人のすすめで当院に来院された方でレントゲンをみると肺がんがあり、病診連携をしっかりしてくださる信頼できる医師に紹介し、転移もなく手術ができることになりました。 もし当院にこられなければ、肺がんの末期になっていた可能性があります。 また胃カメラを昨年12月にし、異常なしと結果が組織をとって、帰ってきたのですが、私の眼でみると、明らかに癌の形態でしたので、2ヶ月後ですが、再度検査して、早期の胃がんと判明した症例がありました。 おそらくお腹を切らずに、内視鏡で手術ができると思います。 ピロリ菌除菌後であるのに、胃カメラを他院で全くしていなかった方で当院通院になった方です。 もしそのまま胃カメラをしないなら、その方の寿命は相当悪くなっていることは明らかです。 また、先週末におそらく胃がんの方(結果はまだ)の方もいました。
私は、現在、四国こどもとおとなの医療センターに勤めていた時とはちがい、大きな機器などで治療をする、バレーボールでいうと、アタッカーではありませんので、異常がないかを心臓はもちろん、内科疾患全般を見逃さないようにする、レシーバーであり、治療や経過観察などを担当しています。 そしてしかるべき時期に、大きな病院に、適切な紹介をするセッターでもあるべき、と思い診療しています(その場合は、病診連携をきちんとする医師で、信用にたる先生に必ず紹介するようにしています) しかしながら、私自身、アタッカーを心臓病はもちろん内科全般でもしていましたので、手術が必要、カテーテルが必要、などがなければ、私が治療をする方がいい患者様も多くいらっしゃいます(紹介が逆に、患者様の不利益になることがあるのも事実で、それは病診連携をしてくださらない先生です)
病診連携は非常に重要で、香川の医療センター時代から思っていました。 普段の治療を、かかりつけ医の医師に、ということの大事さが重要です。 大きな病院で、かかえ込むことが、普段の治療を私どもがするときに、非常にしにくいですし、半年や1年に1回の受診の途中で上記のようなことがあるので、私自身も「違う目」で一度だけ、大病院を紹介することがありますが、大病院でしかできない検査をしないのなら、そのまま大病院にかかり続けることに疑問を感じています。 それは、その医師の資質などではなく、患者様の希望もあるかもしれませんが、高知ではそういったシステムの病院がたまにあり、徳島、香川とは少し事情が違うのかな、と思っています。 つまり人(医師)が悪いのではなく、システム(土地柄)が、整備されてないのかな、と少し思うこともあります。

風邪か花粉症かわからない場合、当院では鼻腔鏡という耳鼻科の医師が使う道具で鼻の粘膜をみるようにしています。 すごく簡単にいうと、正常の鼻の粘膜がピンク色、風邪なら赤色、花粉症なら白色で、肉でいうと、霜降り状にみえることもあり、鑑別になります。

副鼻腔炎の方では、タイミングがあえば、副鼻腔からおりてくる粘液をみることで診断ができることもあります(ただこの方法で診断しようとすると数分以上かかることもあり、現実的ではありません)

風邪と花粉症が合併していたら、そのときは炎症が強くでるので、粘膜は赤色になるので、花粉症がマスクされてしまいます。 今年花粉症デヴューしたかも? というかたには、吸入に加え、食べ物に対してもアレルギーをもっているかどうかの検査(採血)もできます。

ここ数年、小学生、最近では大人でも、炭水化物を食べた直後に運動することで、「アナフィラキシー・ショック」といって、血圧低下、呼吸困難がでて、QQ車を呼ばなくてはいけない症例が増えています。 そういった方には、食事後2時間は運動しない、普段から眠くならないアレルギーの薬を飲んでおく、ショックを経験した人は「エピペン」を皮膚科で処方してもらい、いざというとき自分で注射してショックになるのを防ぐ、という報告がされています。

31演題中、クリニックからの演題は7例で、6演題が私でした。 シンポジウムを聞いていると、「ここで困った心リハ」というのが各県2施設の大病院勤務の方、8名が発表していました。 ちなみに高知で外来心リハを始めたのは私(福田心臓・消化器内科)です。 それも、香川県で大病院で超重症例も経験したものを、持って帰ってきて始めたのです。 おそらく大病院とクリニックで、責任者として心リハを立ち上げたのは、日本では私だけかもしれない(当時)、というくらい珍しい存在が「私」です。 その私の考えは、一内科医として、心臓リハビリ(心リハ)、を診ていましたし、今もそうです。 「高知では外来心リハをしているクリニックが少ない」という発表があり、高知県では少ないかもしれないが、「質」が高い、と言って欲しかったと感じる次第です。 心臓病の人は「心臓、心臓」となってしまい、さらに医療従事者が「心臓、心臓」というのが、非常に危険です。 今は一町医者ですが、一歩先の心リハをしている自負があります(福田心臓・消化器内科にて) 人生で初めての大病が心臓の場合、5年間で早期の癌がみつかる、という発表は、癌を診ない循環器医師からはわからないこともあるかもしれません。 クリニックはかかりつけ医として、患者様を総合的にみるものなのです。 大病院では、かかる科によって、検査に偏りがあるので良くない部分がある、と大病院に勤めていて思っていました。 「ここで困った心リハ」では、クリニックの現状を話さないと、大病院の事情だけで終わってしまって、私にとっては残念な2時間でした。
それにしても、循環器の救急患者さんをリハビリして、受け皿がたくさんあるのがいい、というのは、少し考えが循環器脳になっていると思った次第です。 その他の病気もみるクリニックでの受け皿が大事、と私なら発表したでしょう。 循環器も内科の一科目に過ぎない、という考えを、浸透させないといけないな、と一町医者が考えさせられた(またも)学会でした。
「心臓リハビリテーションよりも大事なことはたくさんあり、それが、かかりつけ医。 循環器しかみず、心臓リハビリテーションだけしていればいいわけではない。 心臓以外もみるのが、かかりつけ医として、患者様のことを考えたクリニックです」

当院で心エコーで異常を見つけた場合、ほとんどが原因がわかり、内服をせず経過観察するか、心臓の機能を守るお薬を飲んでいただき、半年後程度にその効果をみることが殆どです。 しかしまれに、特殊な病気で、大きな病院でしか治療(注射やカテーテル)ができない、というような患者様もおられます。 そういったときに大病院に紹介します。 しかしそこで、心エコーという当院ですでにした検査だけをして、特殊な採血検査、心臓MRIや心臓CTなどの検査が行われずに、経過観察するならその大病院にかかりつづける必要は「全くない」といって良いでしょう。 なぜなら、特殊な検査をしてほしくて紹介しているのに、同じ検査だけをした、ということは、「違う目で心エコー検査を見て」大きな異常がない、ということをその病院が言っているからです。

いろんな理由で、その後の心エコーのフォローは、特殊な場合を除いて、私がした方がいい患者さんがほとんどで、手術適応などの変化が出た時を逃さないように再度の紹介を、と思いながら診療をしています