岡村病院の院長を中心とした、勉強会に高知に帰ってきてから参加させていただいています。 私が留学したあたりから、20年以上続いた勉強会も一旦休みになっていたそうですが、昨日行われました。 岡村院長の講義は素晴らしく、閉塞性動脈硬化症(足の血管が細くなってしまう病気)については、この講義で本州にいかなくてもいい、というくらいハイレベルは講義で、いつも感動すら覚えます。 私も以前から、数回順番でスライドを作って発表をしていました。 次回の勉強会は、私が講師となりました。 テーマは心臓リハビリにしようと思っています。
開業するには簡単だけども、クリニックレベルでするには、心リハだけになってしまい、通常の診療がおろそかになってしまうこと(これは私が開業して思ったことです、最低でも有床診療所か、相当な人数を確保してないと、クリニックではできません)が懸念されます。 開業したり、始めることは非常に簡単です。 しかし、大きな病院で経験もなく「専門です」はもはや詐欺です。 そういった内容は学会でもやりとりされています。 病院で始めるなら非常にいいことだと思います。 レベルの低い医師が、専門性がないため、隙間産業的に「心リハ専門です」はもはや罪の時代になってきているのです。

報告→連絡→相談 を 「ほうれんそう」と言い、入社などをすると徹底するように研修などで言われると思います。

私は疑問に思います。 特に医療業界ではこの順番では全く意味がない、と思います。

「逆」が正しいと思っています。つまり、相談→連絡→報告 です。

何か起こったことを、自分で処理してしまい、仮に想定外のことが起こった時に、それを報告して、、、って、先に相談していれば、想定外のことが起こらないのです。 つまり何をしようにも、自分の判断でしないこと、です。 まずは相談ありきです。 当院でも徹底しようと思っています。 しかし、当院だけが徹底しても、まずは相手に相談、ということが他の施設でされていなければ、患者さんにとって迷惑をかけることになります。 医療業界では、起こったことの報告なんかよりも、起こる前に相談を上司に必ずすること、を徹底してほしいと思います。

これは留学中に学んだことでもあります。 合理的なアメリカならではと思いました。 ボスが全ての情報を管理でき、仕事がスムースに進みます。 個人個人が勝手に動いていては、実験の目的も結果もめちゃくちゃになってしまうからです。 何か「これは自分で判断しないほうがいいな」と思ったら、まずは相談をする組織作りが、院長である私には重要であると感じる出来事が数例一日にあったためブログに書いた次第です。

映画「マネー・ボール」という、ブラッド・ピットが演じた、セイバーメトリクスという考え方で、野球選手を評価して、強いチーム作りをするという考え方が米国では主流になっているそうです。 日本では、打率、本塁打数、盗塁、などの数で評価することが多いですよね。 今後は日本の野球にも統計学的な考え方が出てくると思っています。

さて、医師も統計学ができないといけません。 複雑な計算式は必要ありません。 自分で統計ソフトを使うことで答えを導き出すことは、誰かが書いた論文を正しく評価できることにつながるからです。 統計学ができないと、相手のことを鵜呑みにしてしまう、ということになります。 自分で論文もかけないでしょう。 私自身は先輩医師や、統計学のセミナーで勤務医のころ学びました。 そこに経験や理屈、信念が加わることが大事だと思います。 医師を含めた医療関係者も、いくら能力が優れていても、その能力をいかせないと、チームとしては不適当となってしまいます。 ここで私が重要視しているのが、「思いやりの心」「ちょっとした言い方、一言のかけ方」だと思います。 これがなく、自分勝手な言い分だけの人は、損をすることになると思っています。

さて、映画「マネー・ボール」は、給料の安い選手だけども、サイバーメトリクスが高い選手を集めると「ある程度」強い球団になった、という実話ですが、その後は弱体化しているのが実際の話です。 つまり、統計学だけでもダメで、選手の性格、感情までは、実際の経験からチーム作りが大事なのだな、と思っています。

無料で、持病もない(花粉症含め)とした場合、私の場合ですが、ロトリガ、クレストール、ルセフィ、バイアスピリン、ガスター、アバプロ(の半錠)、の順番でしょうか? ロトリガはEPAとDHAのサプリメント的な内服薬です。 自身の研究で、運動中の交感神経興奮をおさえ、安静時も運動時も不整脈がでないようになります。 血液がサラサラになるので、後述のバイアスピリンと同様に大腸癌になりにくくなる可能性もあるかもしれません(少し作用が違うので、それはないか) クレストールは所謂スタチンという薬で、コレステロールを下げる事によって、血管内を綺麗にします。 ルセフィーは皮膚への移行性が少ない尿に糖をだす薬で、単純にカロリーカットできますし、他の同系等の薬で心臓病の人の寿命を延ばしたりすることが言われてきました。 血液をサラサラにして、がん細胞が、身にまとっている血小板をはぎ取り、リンパ球に食べてもらう事によって、バイアスピリンは2年後くらいに大腸癌予防になる可能性が発表されるかもしれません。 ガスターなど胃酸を抑える薬は以前とは違い、最近はずっと飲み続けると胃酸で溶かさないといけないものが体に入ると悪い、という説がありますが、まだ絶対とは言えない説だと思いますし、(十二指腸潰瘍と胃潰瘍をした)個人的には内服しておきたい、と思います。 アルドステロン、アンジオテンシンIIという血管や臓器を阻害するものから、臓器保護作用があり、とくに腎機能に関しては論文が多い、アバプロを半錠くらいで内服するのもいでしょう。

受けたい検査は、胃カメラ(バリウムは意味がない)、大腸CT(腹部臓器も分かりますが、胆嚢などは超音波検査にまけます)をして異常があれば大腸カメラ、腹部超音波検査、胸部レントゲン(2年に一回はCTも)、頸動脈エコーをした上での頭部MRI/A、頸部MRA、採血検査で、PSAをとって前立腺癌の可能性をチェックしておく、また基本の肝機能や腎機能に加えて、心臓の負担度をみるBNP、糖尿病の有無をみるHbA1cは抑えておきたい所です。 PET-CTも被爆の関係があるので2−5年毎(その時の検査結果によって)には受けたいですね。 そして心エコー検査・心電図検査は聴診では分からない思わぬ病気が見つかることがあって、歯科治療時に気をつけた方がいいことが分かったりします。

普段気をつけたい事ですが、本気で生きる事、本気で仕事をする事、休息を十分とること(遊びに行く訳ではなく、寝る事です)、血圧の管理、体重の管理、有酸素運動、筋力の維持、食べ物は野菜を多くして間食を少なく(これが分かってはいますが難しいですが)、常に何事も勉強する姿勢を崩さない事、でしょうか。 人を騙さない事も大事だと思います。 騙されるよりも、大事だと思いますが、騙されないように知恵をつけることも重要と思っています。

大きな病院に務めている時は、手術をしてもいいか、術後に発症した心不全の紹介、難治性疾患の紹介、など循環器医として、様々な疾患の紹介がありました。 難しい病気に関しては時間もかかり、なんとか診断するわけですが、口頭で「こういう患者さんがいるんだけど」という場合、循環器内科医以外の医師からの質問にストレスを感じた事はありません。 分からない場合もあり、今すぐは分からないから明日院内の紹介状書いて! という場合もありますが、ほとんどは、ポータブル心エコーでその場で解決していました。 循環器内科医が悩むレベルではない質問だからです。 それが専門なのです。 時間をとられるのを嫌がって、答えなかったり、無視を決め込む医師もいましたが、時間の代わりに友人をなくしていました。

今現在は、紹介することの方が多い(当たり前ですが)のですが、もちろん紹介されることもあります。 また遠方の友人から電話などで、質問を受ける場合がありますが、私は自分の分かる範囲で、と前置きして、全て答えるようにしています。 その上で、その医師が判断を下し易いようにサポートするのも、日本の(?)医療の良い所だと思っています。

「時代遅れ」という河島英五の歌がありますが、少しの手間(おせっかい)をおしむ医師に対する医師の信頼は少ないと思っています。 自分の仕事を後回し、なかなか出来る事ではありませんが、一流の医療従事者を目指すものにとっては必要絶対条件だと思っています。 自己防衛、自分のことで精一杯、、、 そんな時代ですが、専門外からの簡単な紹介に必死に答えようとしてくれる医師もいて助かっています。 ただ、必死すぎると、こっちまで恐縮してしまう場合もあるので、簡単な質問に対しては、ポイントで教え合う、のが良いスタンスだと思っています。

自分本位の医師は、結局まわりまわって、損をする、と思っています。 自分が出来ることは当然して、他人に教えることができない医師が、患者さんの治療などできるはずがないからです。