A.良いものです。 なぜ? それは自分で今している運動、もしくはこれからしようと思っている運動が、安全かどうかが分かるからです。

私が高知県では外来心臓リハビリテーションを、福田心臓・消化器内科(私の親がその時は院長をしていました、現在は理事長となっています)で、初めて開設しました。 大きな病院からの見学も受けました。 今週の土曜日、当院が休みなのは、奈良県の心臓リハビリテーション研究会に私が出張して、心臓リハビリテーションの良さ、気をつけること、を講演するためなのです(休診にして申し訳ありません)

これで、四国全県と本州でも心臓リハビリで講演することになりました。2年前はBSチャンネルですが、今日の健康、というフジTV系列の番組で初めて「心臓リハビリ」を私が解説しました。

重要なのは、「モニター心電図」です。 これをしない大きな病院もあります。 しないと意味はありません。 不整脈を見逃してしまいます。 耳につける脈拍では、不整脈がどんなものかわかりません。 大きな機械や器具など必要ありません。 エアロバイクとモニター心電図だけあれば、心リハはできるのです。

クレアチニン(表示はCreとされることが多いです)は、言うなれば血液中のゴミの量です。 生きている以上、ゴミが0ということはありません。 正常値は男女、筋肉量で変わりますが、だいたい0.7mg/dLまでが正常で、1.0mg/dL以上は腎機能は低下している、と言えます。 体格にもよりますが、5.0mg/dL近くなれば透析の準備をして、体格の小さな方なら6.5mg/dLで透析開始となります。 ゴミが出せない、ということは有害物質が血液内に溜まってしまうので、死亡にいたってしまうので、透析治療でゴミを排出するわけです。

ここで、eGFRというものがあります。 最近はクレアチニンから算出するeGFRで、腎機能を評価します。 正常値は90以上です。 60以上あれば、ある程度の年齢なら、腎機能は保たれている、と私は思っています。 しかしこの時点で、慢性腎臓病で、その程度はIIといって、正常のIではなくなっています。 60未満になれば私は慢性腎臓病に対して治療をするべきだと思っています。 その治療法は、腎臓を守る薬物治療(基本的には1種類だけです)、血圧治療(降圧薬で血圧を下げる)、減塩治療の3つです。 これ以上の治療もあるのですが、基本は3つです。

全て、理窟は腎臓の中の圧力をさげることで、腎臓を保護することになります。 腎臓を保護する治療の代表は、ARBやACE阻害薬で、私は最も腎機能に対する論文が多い「アバプロ(ジェネリック薬品ではイルベサルタンとなります)」を少ない量で使用し、血圧が低くなれば、レニベースを使用します。 この手の薬を多量に使用すると逆に腎機能が悪くなってしまいます。 このあたりが、循環器専門医の腕の見せ所だと思っています。 そして血圧が高い例では、血管拡張薬を最大量使用し、それでも血圧が高値なら違う種類の薬や、違う血管拡張薬を使ってでも降圧をすることが大事です。 そして栄養指導で減塩を覚えてもらうことです。

未だに、ディオバン(ジェネリックなら、バルサルタン、となります)を使用している処方を見ますが、論文の不正がみつかった薬で、さらに臨床的に使用していれば作用時間が短い、というのが分かっているので、私は昼間だけ血圧が高い人だけにしか使いません。 私のクリニックにきて、ミカルディスにして「血圧が夜まで下がった」と皆さんなります。 つまり基本的には使用しません。 この薬が理由なく出されたら、「ちょっとおかしいな」と思ってもらっていいと思います。 海外でラミプリルという、英訳すると「高性能ACE阻害薬」という、日本未発売の薬があります。 降圧だけを考えるなら、このラミプリルに唯一負けない可能性を秘めているミカルディスを私は使用しています。 今までの患者さんの歴史もありますので、一概に言えませんが、初めて薬剤を処方するとするなら、腎機能重視ならアバプロ、降圧重視ならミカルディスとなるのは自然の成り行きだと思います。 異論反論もあると思いますが、論文を読めばそうなってしまうのです。

最近は病院でも、その他の会でも、会議をしなくてはいけない風潮になっています。 みんなが理解出来るように、司会進行役で喋る人は発言するべきですが、内容についていけてない人もいます(私の専門は医療であり、その他のことも勉強していますが、ついていけない専門用語や、分厚いシラバスで、どこのページかもわからないまま、これさえ言えばいいだろう、という会議は眠たくて仕方ありません。 なので退出するか、退出できなければ仮眠をとらせてもらいます)
私が講演するときは、「絶対に聴いてもらう方を眠らせない!」とモットーにしています。 そうでないと集まる意味がないですよね。
私が理解できるように努力しても、専門職でそればかりをしている人にかなうわけがありませんし、逆にその方に、専門的で理解できないだろうな、という医療の話を1時間して、眠らすこともできます。 しかし私はそういうことをしません。 そういった専門のことを、他の業種にわかりやすく説明する能力は必須です。 私が「眠たくなるなら、先に医療の勉強してください」と、他業種にいうのはおかしいと思うのですが、どうも、そうでない人もいます。
一生懸命しゃべるのと、相手の立場にたって話すのは、180度ちがうベクトルです。 そういった会議ならしないほうがましです。 参加者もわかってないけど、寝ていない、なら時間の無駄ですね。 仮眠をとっている人を笑っているなら、その笑っている時間を違うことにまわすべきですね。 会議はみんなで作り上げるもの!
「あー、私なら、ここは掘り下げて、専門用語などつかわないのに」と思う会議が多くて困っています。 そこで眠たくなるのが悪いわけではなく、会議自体の問題だと私は思いますが、皆さんはどうでしょう? そういった会議に出席したいと思いますか?

現在は、循環器内科、消化器内科に臓器別に分かれていますが、私が入局した頃は、47都道府県で唯一、「循環器と消化器」が一緒になっている医局、それが徳大の第二内科でした。 これは関連病院に行った際も目をかけてくれるので大変重要なことでした。
さて、最後の教授が消化器内科であったことも関係したのか、同門会は実に第63回目ということなのですが、61回目と63回目に出席させていただき、ほぼほぼ消化器内科の先生のなかで、循環器の演題をだし、61回は「この同門会が臓器別にわかれて初めての循環器の発表で嬉しく思います」とのお言葉を会長からいただき、今回は「食道癌は、狭心症のリスクと思っていたが、数値で表されると説得力があるな」と言われました。 つまり、私が感じていた「循環器だけではいけない」、を消化器の大先輩は、消化器の目線で「消化器だけ見ていてもダメだな」と感じていたわけです。 どちらも見えるようになっている医局員は結構数が限られています。 昔の先生で大学以外で研修した先生、私と同年代でおなじく関連病院で修練した先生だと思っています。
今後も、両輪(循環器と消化器)のどちらも患者様の不利益にならないように、最善の治療を心がけていきます。

欧米では、「てんかん」の有無を必ず認知症の方ではチェックするのが常識となりつつありますが、日本では一般的ではありません。

ここでいう、てんかん、とは、「ぼぅー、としていて、反応が薄い」状態のことです。 体がガクガクを震えるようなものではありません。
実に20%ほどの合併率があるという報告もあります。
以前は、バルプロ酸という薬しかなかったのですが、最近は医師も患者様も使いやすい(副作用がすくなく、たびたびの採血検査がいらない)イーケプラという内服薬がでています。
認知症の分野は大きく変わっています。 認知症しかみない、精神科(心療内科)と脳神経外科の分野でも、処方が大きく変わることも事実としてあるのです。