通常、我々(私のクリニック)では、腹部エコーは「当然」大動脈、膀胱、前立腺のサイズまで測定しますが、検診でする病院ではこの3つをしません(するところもあるのでしょうが、自分自身がうけて、されませんでした)

理由もあると思います。 大動脈をみれない、大動脈をみてもレポートにどう書けばいいかわからない、ということがありますが、これは大きな問題です。 なぜなら「異常なし」の患者さんが当院にこられて、腹部大動脈瘤だったことが多々あるからです。

次に膀胱ですが、これは恐らく、膀胱癌の半分はポリープの形をとらず、壁浸潤型といって、エコーでは分からない癌が潜んでいるから「最初から見ないでおこう」という理由だと思います、その他には膀胱に尿を溜めるのが大変だろうから、や、それを知らされていない技師さんが撮るからだろうと思います。 壁浸潤型の膀胱癌は血尿(目で見える)で、MRIなどで診断することになるのですが、半分を占める、エコーで分かる膀胱癌をみないで、検診といえるのでしょうか? 一ランク下の健診だと私は思っています。

最後に前立腺のサイズですが、これも測定の方法を知らない、もしくは膀胱にある程度、尿が溜まっていないと見れないことがあるからだと思います。
当院では、通常の診療でもみないことが多い、卵巣や、虫垂炎、血栓性静脈炎の間接的診断である腹壁筋の炎症、などを見ています。
膵臓の見方、を7−8年前から自分で考えた方法が、2年前に、最新のエコー機器に搭載されていました。
考えながらエコーをすることの重要性が大事で、大病院でも医師が最近はエコーをしないので、熟練の技師さんに当たらないと、患者さんの不利益になることが今後の課題だと思っています。

今までは製薬会社様の薬の説明会で勉強も兼ねていたのですが、正直、医師主体なので、スタッフにはわかりづらいと思っていました。
なので、7月からは私自身が資料を作って(そのうち大画面で見れるようにします)、10分ほどのレクチャーをNSはもちろん、医療事務の方にも、例えばカルテの見方、みたいなことで説明をすることにしました。
第一回の今日は、「胃カメラ」の見方です。 当院では、超早期の食道がんの検出率が高いのか、胃がんに関してもですが、全国平均を大きくうわまっています。 そのために、私がどのようにみているか、最新の論文の紹介、などを自分で作った図などを使って説明しています。
今後も、例えば「心エコーをなぜするか」「カルテの見方」や、血圧の薬を超少量でだす意義、などもレクチャーしていきたいと思います。

自施設だけでなく、他施設勤務中の方や今は働いていない医療従事者も将来的には、時間はずらして、レクチャーをしたいと思っていますがどうでしょうかね? 私なら行ってみたい、と思う企画なのですが…

それは、テープ剤という茶色い薄いやつと、パップ剤という白い分厚いやつの2種類です。 最近はパップ剤のなかにも久光製薬の「モーラスパップXR」というシリーズがあり、従来より薄く、一度剥がれてももう一度くっつきやすい、というテープ剤とパップ剤の中間のようなものまで出てきました。 さて、私は湿布に関しては、「絶対に」ジェネリックをお勧めしません。 ジェネリック薬品の会社がおそらく湿布を作るのに慣れてないと思われ、添加物も怪しく、ジェネリックにした途端に発疹がでた人もいますし、剥がれやすいことこの上なし、ときたものです。 安物買いの銭失い、とはこのことだと思います。 私自身、苦い経験があります。 「湿布だしときますね」と他院で言われ、院内処方だったのか、お金を払って渡されたものが、サイズも聞かれず、テープかパップかも聞かれず、ジェネリックの聞いたことのないメーカーの(私が嫌いな)大きなパップ剤でした。 案の定、真ん中の張りやすくするための工夫もなく、すぐに剥がれるわ、効果は実感できないわ、でした。 医師なら出す薬まで説明しないと恨みを買うな、と思った反面教師がいたので、私自身は湿布を希望される患者様がいるときは、実物を用意しているので、どれがいいかを選んでもらい、サイズも聞いて、ジェネリックじゃないほうがいいですよ、希望されれば別ですが、と話しています。 もし良いジェネリックの湿布があれば教えて欲しいものです。 なぜ医師なのに知らないか? それはジェネリック薬品の会社は、情報を医師にもってきたり、製品紹介の会を開いたりしないからです。 患者さんが「ジェネリックにしてくれ」という気持ちもわかりますし「私は先発品でないと駄目」という意見もあります。 私自身は、ジェネリックは命に関わる薬の場合はジェネリックにしない方が、患者さんのため、だと思っています。 ちなみに、循環器領域で、何社かのコレステロールや尿酸を下げる薬が全く効果がない会社なら知っています。 当院の門前薬局にはそういったものは置いてないようですが、遠くから来てくださった患者さんが、違う薬局(大手が多い)で、「これは駄目だろ」というジェネリックになっているのをみると、その薬局は何を考えてるんだ、と苦々しく思います。

最近、肺がんの疑い+危険な不整脈を言われ、内服治療をしましょう、と言われた方が当院に来られました。 私にはどうみても「正常」としか見えないので、問い合わせてみました。 その結果は、、、「その後の経過では問題ないと判断しています。 レントゲンは単なる何かの影だと思いますが、念のために大病院に紹介しました」という内容でした。 不整脈の薬は慎重に投与、内服をしないと、催不整脈作用といって、ちがう不整脈を起こすことがあるため、専門医以外が扱うのは危険です。 さらに「どういう意味で」危険といったのかの理由が返事にかかれておらず、患者さんは不安がっておられました。 また、CT検査をとある病院で撮ってもらったところ、「問題はあまりなく、粒状影が見えます」という結果で、がっかりしました。 私は細気管支炎が元となる間質性肺炎や、心臓の近くのリンパ節が腫れていることからサルコイドーシスも疑いましたが、実は本人様を見なくても、CT検査で皮膚に結節ができているかはわかるので、サルコイド結節が体表にないことから否定しました。 また肺がんの一種の腺がんを疑うものがありましたが、読影された先生が、内部の一部の問題ない部分から「正常」と判断された結果なら安心するのですが、その部分には触れていないので見落としが考えられます。 結果、肺腺がんの疑い(1ヶ月後に再度CT)、間質性肺炎は疑わしいが、臨床的には慢性気管支炎(おそらく喫煙による)の2つの病名がつきました。
もし、スタッフが後ろで、聞いていたら、、、 そこでの勤務はあまり意味がないのではないでしょうか? ただ働くだけでは医学に詳しくなれませんし、どうせ同じ時間働くなら「勉強になる」施設で働くべきなんじゃないかな、と思う次第です。 自分がどう、というわけではないのですが、あまり勉強にならないところで働いている人はどういう気持ちなのだろう、多分きづいていないのだろうな、と思った次第です。

昨日、土曜日は診察を休診にして申し訳有りませんでした。 上記の研究会に講師として以前から講演をすることが決まっていたので当院通院中の患者様、また当院が休診と知らなかった患者様にはご迷惑をおかけしました。
さて、奈良県でも、外来心臓リハビリテーションをしている診療所は少ないようですが、今後「きっちりと重症例に対しても、病院で診療されていた」先生が、心臓リハビリでの開業を予定している、と懇親会でお話しがありました。
私が危惧している、「重症例を経験せず、『開業時にいきなり初めて心リハを専門に』」というのは、意味のない心リハ指導士の資格(医師に限る)をいくらもっていても、そこには安心して紹介はできない、というコンセンサス(みんなの意見)が奈良県でもあるようです。
慢性期の落ち着いている患者様に対しても、重症化したり、不安定になったときの対応などを、質問されましたが、全て答えることができました。 おそらく、開業してから勉強(患者さんが実験台となるクリニックですね、、、)という医師にとっては、答えることができない質問だと思います。

本当の意味での心臓リハビリテーションをうけないと、金額が同じでも、効果が薄い、という私の意見にもみなさんが同調してくれたと思います。

付け焼き刃の知識の心リハは、心エコーをしたことないのに、少し触っただけで「心エコー専門」と標榜したり、1ヶ月耳鼻科をして、「耳鼻科」で開業すると、メッキがはがれる、と私は思います。 あなたの祖父、祖母を、そういったところに紹介しますか? という質問に「しませんね」という解答もありました。
かかりつけ医は慎重に選ぶべきです…  特化した(それ自体が本当でない場合があります)専門のクリニックは、そればかりになるので、私の祖母、祖父が生きていたら、「絶対に」そこに紹介、と言われても、「断固」断ります。 それくらい、「開業時の売り」としての、特化した専門は、その後の患者さんの長生き度にとって、危ない、よくない、と思います。

「◯◯病院で心リハを研修したので開業した」に対しては、「何年ですか? 責任をもってですか?」と、外科医に手術件数を聞くように聞いてみたください。 医師の心リハ指導士で上記のように自分を大きくみせる医師がいるかもしれませんが、5-10日の見学なのです(国立循環器センターの先輩医師から聞いています)

では、どうやってかかりつけ医を選ぶのがいいのか?

①近いから ②判断に間違いがない ③現時点で最もいい治療法を説明され、自分自身でどの治療法がいいかを選ばせてくれるところ

④親身になってくれるところ ⑤診察の守備範囲が広いところ ⑥遊ばない医師

だと思います。 ①も大事ですが、私はそれ以外にたいして、毎日研鑽を重ねていく所存です。