院長が超音波医学会(徳島で開かれる)で、発表するため、受け付け時間を11時30分とさせていただきました。

誠に申し訳ありません。

発表の内容については、心臓超音波検査の見過ごし易い構造物、について、です。
意外と見過ごされがちで、かつ問題ないだろう、知らないからいいや、ということが「右心房内」にある人がいることに以前から気づいており、そのことを発表するために、診療時間の短縮とさせていただいています。

発表することによって、論文を書くよりも、得られる知見が多い事もあります。

時間を無駄にしないように、勉強した内容を皆様に還元できるようにしたいと思い、学会に出席してまいります。

感冒、腹痛、下痢、感冒が良くならない、といった方です。 当院では聴診所見や咽頭所見を重要視し、年齢なども考慮して、必要ならその場でわかる炎症反応やレントゲンで肺(デジタルで、CTのように、通常のレントゲンでは見にくい肺の部分をみれます)心臓の大きさだけでなく、腋窩のリンパや骨も見るようにしています。 場合によってはCT検査を福田内科で紹介状代、診察代なしで検査をすると、肺がんの可能性のあるものなどが見つかることがあり、専門医に紹介する場合もあります。

入院治療ができない場合でも、それに対応した治療をすることも、一緒に考えていく方針としています。 どうしても入院が必要な場合はその旨を説明させていただいています。

最近は、心電図異常で心臓超音波検査で異常なし、や、レントゲンで異常なし、と言われた方がこられ、聴診では聴かれてはならない音がする人が多く、心臓超音波検査をすると、生まれつきの疾患などが見つかるケースが多いと感じています。

高齢者の方は、典型的な感冒の症状がない場合がおおく、肺炎になっている場合もありますので、おかしいな、と感じたら来院されてください。 また、私自身の専門である心臓超音波検査(高知では超音波専門医は少ないのです)や24時間心電図などで、今まで言われたことがない疾患がみつかることもあるので、若い方や中年の方で不安に思うことがありましたら来院をされてください。

まず常識的に、経験をしたことがないのに、「専門です」はおかしいですよね。 標榜(看板)の過大広告(詐欺、とまでは言えませんが)だと思っています。 人を騙すような行為を私は嫌います。 医師という職業ならなおさらではないでしょうか?

心臓リハビリテーション学会でも、現在問題になっている事案です(ただ、標榜の自由、があるので、勧告はされていても、開業する人のモラルの問題となってしまうのです)

医学は証拠に基づく治療、が重要で、最近は患者さん個別に体する治療も同時に大事だ、と言われています。 EBMとNBMですね。
さて最近、台風が多いですよね。 気象予報ほど難しいものは実はありません。 降水確率は過去の「同じような気象図」を例えば100枚だしてきて、この場合雨が降った確率は40%だった、ということで降水確率を出しています。 しかし、この統計法は、「過去が全く同じ気象図であることはない」「地球や環境そのものの影響が変わってくると当てにならない」という、「過去と全く同じ状況である」という根本的な基本が成り立たないから難しいのです。

医学ではどうでしょうか? 患者さんも全く同じ人などいません。 クローン人間でも同じ環境で育ってなければ違いますよね。 では過去の統計も重要となってきますが、なにより大事なのが「経験」だと、統計学者、サベージ、は論文をだしています。 「主観確率」というものです。 様々な経験から、この方法がいいだろう、という、これも立派な確率、統計法なのです。 それを座学や見学だけで、教科書通りの心リハをしていては、個別の人に対応することが出来ません。 ましてや、中等度に悪い症例や、重症例は病院でしか経験出来ないので、「経験」がないので、対応できないと思います。 実は軽症例でも、そういった例が隠れているので今度発表する予定です。
私も四国こどもとおとなの医療センターで、心臓リハビリテーションセンター長をしている時は、重症例も含めて、色んな症例を経験し、それを商業出版として出しています。 それでも、今でも迷う症例があります。 しかし過去の事例の、引き出しから、「この方法がベスト」と思って心リハをしています。
四国全県、と、三重県で講演した際もこういったことを講演させていただきました。
以前にも書きましたが、「企業の一企画」ではないのです。
「他があまりやってないので心リハ」、というふうにスキマ産業として心リハが思われることが、地べたを這いつくばって研鑽したものとしては、迷惑、です。
患者さんが、専門と看板に書かれていたら勘違いされることを危惧しています。
医療技術は職人芸だと思っています。 職人になっていない人が「専門」と語るのは、やはりどうかと思われます。
物珍しいから飛びつく、のは、もはや医療ではありません。 それは大学病院や研究施設で許される事なのです。
※優秀な経験のある理学療法士がいれば、なんとかやっていけると思いますが、最終責任の医師が経験がないのであれば、決断のレベルが低くなってしまいます。

実は心臓を栄養する冠動脈という血管は、横隔膜に接していてその血管が詰まると腹痛という症状がでることがあります。 心筋梗塞でも、胸の痛みではないのです。 また、腹部大動脈瘤(人間ドッグ協会での腹部エコーでは大動脈はみない決まりになっているのが問題視されています)の切迫破裂(破裂寸前)、血栓が腸を栄養する太い血管を詰まらせた場合、また細い血管動脈硬化で腸に血液を運べない虚血性腸炎などがあります。 心臓に関しては心電図や、心エコー、その場で15分程度で分かる血液検査での心筋の痛み度合いのキット検査などで心臓疾患を否定し、腹部エコーで動脈と静脈の大きさの比(通常は静脈の方が大きいのですが、血栓で詰まると動脈が大きくなります)をみたり、虚血性腸炎なら血便などで疑います。 そういったことも考えながら、腹痛の検査として、虫垂炎(いわゆる盲腸)や胃潰瘍、腸管破裂(十二指腸潰瘍が最も多く、憩室穿孔、癌による腸の穿孔)を触診やレントゲンでみて、死に直結するものから「除外」していくのが、内科の診療です。

よって、循環器内科が腹痛に弱い、という謂れは、大きな病院では分担制なので、心臓の動脈は大丈夫ですよ、といって立ち去り、あとは消化器内科の医師がみるので、循環器内科医は腹痛を最後まで完結して診断・治療に当たらないので、開業後にも、「大事な心臓は大丈夫ですが、腹痛に関しては、、、紹介します」としか言えない場合もあるかと思います。 もちろんオールラウンダーの医師(私もどちらもみれるようにしています)もいます。

しかし最近はますます分業が研修するはずの大学病院、大きな病院、最終拠点病院ほど自分のテリトリーしか出来ないようになっているのが現状であり、2010年の、日本心エコー図学会総会で、カテーテルと心エコーをする医師のシンポジストとして話した内容は、「若い医師が、心カテだけ、心エコーだけ、にならないような研修システムが大事なので、各病院が工夫するべき」と発言しました。 昔は、心エコーは敷居が腹部エコーより高く、技師さんはとることが少なかったのですが、今は技師さんと限られた医師が心エコーをし、カテーテルをする医師はそのレポートをみるだけ、となっています。 中規模病院ではとんでもない病気に出会うとより高次(大きな)病院にすぐ紹介することになるので、研修ができない、ということになります。

今後の医療における、医師の分業と、誰にもまけない専門性(最低2つ)と、内科全ての診療を研修することは、ますます難しくなってくるでしょう。