そのことによって、患者さんの情報を共有でき、また不必要な検査をすることもなくなります。 患者さんからの伝言では、伝言ゲームになってしまうこともあるので、私自身は「超」重要と思っています。

さて、紹介状を書いても、返事を返さない医師もいます。 返事をかかず、採血結果だけを送ってくる場合が多い医師がいますが、全くのナンセンスです。 患者さんのことを思えば、治療内容や、投薬減量のお願いをしているにもよらず、それらをどうしたかわからない状況では、誰のためにもなりません。
良い医師、きちんとしてない医師は、その辺が曖昧な部分もあると、自戒の念を込めて思います。

私自身も、患者さんを医療の範疇で管理させていただく上で必要なことは、説明します。 説明するだけも、治療です。 なにも薬がなくても治療となりますが、それをご理解いただけない場合もあり、困惑する場合もありますが、ひとそれぞれ考えかたがあると思いますが、医療機関にかかるということは、その分医療費が必要になります。 その医療費はプロである我々がケースバイケースできちんと算出しています。 あかひげ先生のように、野菜などで医療費OKという医療機関の先生もしっていますが、かなり特殊で、今の時代、「きちんと管理できてない!」と逆に医療費がかからない治療をしていると、誰しもが不幸になるのです。 安かろう、悪かろうではいけない、というわけです。

急な息苦しさや胸痛などで、心筋梗塞(狭心症)、動脈解離、肺塞栓症はもちろん、循環器専門医では上記などは必ずその場で否定をすることが重要です。 当院では、その場で採血キットで10分程度で心筋炎、心筋梗塞、BNP(心不全)の検査ができ、私自身が専門とする心エコー検査で中等度以上の肺塞栓の否定をするようにしています。

慢性期で、非専門医で、BNPを採血したり、当院で採血した結果を他院でみて、「このくらいなら大丈夫」などの発言があり、患者さんが困惑することがあります。

BNPに関しては、循環器専門医以外で、急性期以外で採血することは、いろんな因子で結果の解釈をするので、「しない」ことが良いかもしれません。 なぜなら心エコー検査ができないからです。 「このくらいなら良いでしょう」が、思いがけない心疾患であったりするケースが多々あります。

逆に急性期では、非専門医でも、専門医へのコンサルトとして採血することが必須です。

採血検査のBNPに関して、疑問に思うことがあれば来院していただければご説明させていただきます。 本当にその値でいいのかどうか。

私自身、四国こどもとおとなの医療センターという地域の最終拠点病院で、循環器科で送られてくる患者さんで、腎機能が悪い患者さんの治療には難渋していました。 医療センターの方針では、外来が多すぎるため、入院治療が終わった患者様については、カテーテル治療をしたりしてない患者様については循環器科では、紹介していただいた医療機関、もしくは飛び込みの場合は私自身が信用できる、私の前医長の開業医もとに紹介をしていました。

循環器専門医は、ただ血圧を下げるだけの医師はいません。 必ず、腎機能も意識して処方をしていますが、毎月「心不全になったから入院を」と送ってくる胃腸科の先生がおられます。 私自身、断ることはしなかったのですが、患者様はその先生との信頼関係があるし、紹介もとに患者さんを戻す、ことは非常に重要で、これをしない大病院の医師は、どこか欠落している部分があると思う次第です(そういった医師に今まであったことがありません)

しかし、私自身が、今後心不全を起こさないために、心エコーができないのであれば、体重、足のむくみ、採血検査で利尿剤の調節を、と細かく返事を書いても、全く読んでない先生もいて、困った経験があります。

たかが高血圧と思うなかれ、高血圧は心臓病や腎臓病になるリスクが非常に高く、自宅血圧を重視しない医師のもとでは、5-10年後の健康度合いが全く違う、と思う次第です。

降圧(血圧を下げること)に勝る臓器保護なし、という格言もありますが、それプラス、臓器保護をより重視した治療が高血圧には望まれるのです。

今現在の治療に疑問を持っている患者さんは当院に相談してみてください。 ひょっとしたら、腎機能、心機能を無視した治療が横行していることもある可能性もあるので。

私自身は、京都第一赤十字病院で主に消化器内科や救急医療をしていました。 当直を志願して、かなり泊まり込みをしていて、吐血して急性胃粘膜病変になったけども、休まず診療をしていました。

その後、徳島大学の医局に入り、大学での難治性疾患を担当し、厳しい院内のカンファレンスを毎週していました(カンファレンスの前日は深夜から、当日の午前3時まで資料を作っていました)

その後は、現:四国こどもとおとなの医療センターで、内科全般、救急はもちろん、循環器内科を中心に診療していました。

その当時の水準以上の心臓カテーテル治療をしつつ、心臓超音波検査(研究目的だけでなく、命に関わる急性期の検査)をしていました。 心臓リハビリテーションについてもセンター長として、重症例も軽症例も担当していました。

今現在、循環器内科でも、細分化され、カテはしない、エコーだけする、という医師が増えてきているように思います。

飛び抜けたエコー技術があればいいと思いますが、自身でカテーテル治療をした人のエコー検査をするとしないでは、大きく違うことが市中病院ではわかります。

エコー検査で人が死ぬことはありませんが、心臓カテーテル検査ではリスクがあります。 高見の見物をすることは、医師の経験を奪ってしまうと憂いています。

私立の医科大学では、10年前から「同じ点数であれば、地元の方を優先します」と公言しているところもあります。 が、今回は事前にそういったことを公言せずに、男女差別のようなことをしたのがよくない。

実際に、女性の医学部を目指している受験生からしたらたまったものではないでしょう。

では学校からしてみたら? あらかじめ公言しなかったのは、恐らく受験生を減らしたくない、女性でも非常に優秀な人材は確保したい、女性で医師になった場合は大学に残らなかったり、マイナー科(眼科や皮膚科など)に入り、メジャー科(循環器内科、一般外科、脳神経外科、消化器内科)に進むことが少ない、という魂胆でしょう。 実際には、女性医師で第一線で、メジャー科で活躍している医師もたくさんいますが、大学側の気持ちもわかります。 私立の大学なのだから、公言していればよかったのだと思います。 男女差別などではなく、「うちの大学は、男性を○○といった理由で優先します」と。

それだったら文句もでなかったでしょう。 コソコソするからいけなかったのです。

実際に女性医師の方が入院をみると良い成績だった(これはバイアスが相当かかっている論文ですが)という報告もあるのですが、私が知っている医師では男性医師がやはり、いろんな意味で有利かな、と思う場面が多くあります。 同じ能力なら、出産、子育て、さらに放射線の問題などで、男性であることが有利に働くと思います。 そんななかで女性でバリバリ仕事をこなす医師はすごいと思います。 その分、人の倍以上勉強しているわけですし、逆に全く勉強しない男性医師もいて、困ることもあります。