私自身は、京都第一赤十字病院で主に消化器内科や救急医療をしていました。 当直を志願して、かなり泊まり込みをしていて、吐血して急性胃粘膜病変になったけども、休まず診療をしていました。

その後、徳島大学の医局に入り、大学での難治性疾患を担当し、厳しい院内のカンファレンスを毎週していました(カンファレンスの前日は深夜から、当日の午前3時まで資料を作っていました)

その後は、現:四国こどもとおとなの医療センターで、内科全般、救急はもちろん、循環器内科を中心に診療していました。

その当時の水準以上の心臓カテーテル治療をしつつ、心臓超音波検査(研究目的だけでなく、命に関わる急性期の検査)をしていました。 心臓リハビリテーションについてもセンター長として、重症例も軽症例も担当していました。

今現在、循環器内科でも、細分化され、カテはしない、エコーだけする、という医師が増えてきているように思います。

飛び抜けたエコー技術があればいいと思いますが、自身でカテーテル治療をした人のエコー検査をするとしないでは、大きく違うことが市中病院ではわかります。

エコー検査で人が死ぬことはありませんが、心臓カテーテル検査ではリスクがあります。 高見の見物をすることは、医師の経験を奪ってしまうと憂いています。

私立の医科大学では、10年前から「同じ点数であれば、地元の方を優先します」と公言しているところもあります。 が、今回は事前にそういったことを公言せずに、男女差別のようなことをしたのがよくない。

実際に、女性の医学部を目指している受験生からしたらたまったものではないでしょう。

では学校からしてみたら? あらかじめ公言しなかったのは、恐らく受験生を減らしたくない、女性でも非常に優秀な人材は確保したい、女性で医師になった場合は大学に残らなかったり、マイナー科(眼科や皮膚科など)に入り、メジャー科(循環器内科、一般外科、脳神経外科、消化器内科)に進むことが少ない、という魂胆でしょう。 実際には、女性医師で第一線で、メジャー科で活躍している医師もたくさんいますが、大学側の気持ちもわかります。 私立の大学なのだから、公言していればよかったのだと思います。 男女差別などではなく、「うちの大学は、男性を○○といった理由で優先します」と。

それだったら文句もでなかったでしょう。 コソコソするからいけなかったのです。

実際に女性医師の方が入院をみると良い成績だった(これはバイアスが相当かかっている論文ですが)という報告もあるのですが、私が知っている医師では男性医師がやはり、いろんな意味で有利かな、と思う場面が多くあります。 同じ能力なら、出産、子育て、さらに放射線の問題などで、男性であることが有利に働くと思います。 そんななかで女性でバリバリ仕事をこなす医師はすごいと思います。 その分、人の倍以上勉強しているわけですし、逆に全く勉強しない男性医師もいて、困ることもあります。

医療が適切に行われているかどうかを査定する医師が数名いますが、専門分野が異なっている場合があります。 例えば、「高血圧の治療で薬が過剰にでている」ということで、保険請求したものを返金して、薬を減らせ、と言ってくる医師がいますが、ナンセンスです。 高血圧学会(私は学会員ですので質問ができます)の学術担当の医師からの、メールの回答をのせると、全く言ってこなくなります。 「一宮きずなクリニックの処方に全く問題ないことを証明します。 他のいろんな血圧の薬で副作用があり、血圧はどうやって下げたかよりも、どこまで下げたかが大事なので、現在の処方以外はありえません」という文章を査定される先生に送っています。 ここ数ヶ月の血圧とその時の薬を明記するように、と意味のないイジメのような文章があり、数ヶ月従っていましたが、患者さんにとっては、薬を減らすと血圧が160以上になるため、危険です。 それを杓子定規に当てはめて、個人個人の医療を行わせないようにする行為は、査定する先生も嫌で仕方なくしていると思うので同情はします。
さて、他のことでも、「自分の専門ではないから」といって、よろず屋であるはずの町医者で、なんと患者さんをみない、という行為をする医師がいます。 また、自身の医療技術のなさや、読みかじった医療本で「最近は当然だから」という医師もいます。

そういった医師は内科医ではありません。 大病院ではないのです。 私自身や自分の身内はかからないようにしたいと思いながら、自身も気をつけようと思っています。

「がん検査を疎かにしない、専門的循環器診療」に加えて、最近の動向をみて、「全人的な心臓リハビリテーションを含む、治療」を掲げています。

循環器内科は内科の中でも、癌がない(圧倒的にすくない)科です。 かかりつけ医が循環器内科であれば、癌から自分の身を守るためには癌検診をしないといけません。 心臓病にかかった人は、高確率でその後、癌が発症する、という発表(現在論文執筆中、おそらく世界初)をさせていただいています。

そのため、当院では食道や胃、膵臓・肝臓・胆のうを見るようにしています。 そのため、お待たせしてしまうことがあり、非常に申し訳なく思っています。

当院では、循環器疾患の発見もそうですが、癌の早期診断で大病院に紹介し、完治する方もおられます。

高知県では、内科と整形外科の2つのクリニック(・病院)をかかりつけ医にするか、内科だけの1つにするかが多い、というデータがあります。 多くの病院にかかることは患者さんの負担になると思います。 もちろん、患者様の意向が最も優先させる、という大前提で診療をしています。

医師は王道の診療をしないといけない。 間違っても、邪道な診療をしてはいけない。
自覚がある、王道のふりをした邪道は、みていて気持ちのいいものではない。

定期的に、口コミサイトにコンサルタントが書いている、医療者からみたら「嘘」だと一発でわかる星5つの内容。

私は心臓リハビリテーションにハマり、「なんて素晴らしい治療法なんだ!」と思い、2014年(ひょっとしたら現在も)は四国で唯一「和温療法」をしてもいい許可をもらっている医師です。

心リハを通じて、急性期最終拠点病院でいろんな経験をしました。 その経験は、例えば、離床時に左室内に血栓が出来ているかもしれない、という考えまでしていました。 その確率は相当低いのですが、数例経験するのと、しないのでは雲泥の差です。

慢性期しか経験しないとすれば、急性期の話はできないし、慢性期と思いきや、実は急性期として治療した場合があるいことも頭の中に常にいれておかなければなりません。。

賢い患者になるためには、その医師のモットーが、経験に基づいているかどうか、で判断できると思います。