ひとつ、大前提として例をあげると、

内科:診断する

外科:治療する

とします。 大きな間違いもあるかもしれませんが、そう仮定した場合、

前者は、内科の仕事、後者は外科の仕事なのです。

この仮定だけでいくと、後者は診断がきまっているので、する治療も決まっている、ということになりますが、

トラブルシューティングはありえるので、経験値がものをいうわけです。

その経験は、もちろん、診断の経験値です。

つまり、責任をもたず見学だけで開業することの恐ろしさ、です。

私が、経験せずに心リハを開業することは絶対にないでしょう。 それは、心リハは奥が深いから、です。

心リハが好き、興味がある、ハマった(患者さんがよくなった瞬間)を「診断」してないと、

もし開業して心リハをしても、「これで良いのかな?」と心配性な私は思うことでしょう。

「心配性な人ほど生き残る」という格言がありますが、心配性な医師のもとで心リハをした方がいい、となりませんか?

学会の、流行らせたい、企業をからめてほしい(心リハには薬がからまないので、スポンサーが学会にはないので

無床診療所でしてほしい、のです)という、魂胆が見え隠れするというか、そういっているとしか私には聞こえません。

それに乗るか、自分で考えて乗らずに研鑽するか、非常に大事なことです。

社会人としては当然なことですが、医療の世界でも当然のことです。 2018年、頸動脈エコー(首の血管をエコーでみる検査)をした患者さんが、その画像で、どれだけ動脈硬化がすすんでいるかをみることによって、その方の予後がよくなる、という報告もでてきました。

うわべだけの血圧、血糖、コレステロールの値だけで処方をされたり、胃の検査はバリウムで十分と言われたり(胃カメラの方が優れていることを知らされずに)、経験なしで突如はじめた心臓リハビリが専門などと流布することは、「ごまかし」の医療ではないでしょうか?

お笑い芸人の西野さんがかいた本を興味があり、数冊みてみました。 絵本を描いたりして、一時期、インターネット上で謂わゆる炎上された方ですが、いまや、インターネット上の「オンラインサロン」という会員向けサイトでは日本で、ホリエモンを抜いて1位の会員数になっています。 これは彼が「うそ」をつかなかったこと、信念を貫いたこと、だと著書で書いています。 例えば、「食レポ」は美味しくなくても「美味しい」と言わなくてはいけないので、全て断ったこと。 また、自身の漫才のネタを書く時間が必要だったので、必要最小限の飲み会以外は参加しなかったので、内輪ネタで盛り上がる「ひな壇」には絶対に座らなかったこと(そこでは自分が置き去りにされるので)という信念で、仕事量は1/10に減ったと、絵本を描き続けたことによって、自分の才能が芽生えたとのことです。
今やバッシングする人も少なくなり、所属している吉本興業の社長からメインのインターネットサービスを頼まれる存在になっているそうです。
私自身、相談しやすい医師像には、「ごまかし」があってはいけない、という信念があります。

0次予防という考え方をもつと、診療が変わります。 高血圧や脂質異常症などになっている方が心筋梗塞や脳梗塞を起こさないように、というところを1次予防とするかどうかでも違って来ますが、私は、高血圧にならない、脂質異常症にならないようにするのが0次予防だと思います。

すでに、なっている方は0次予防の治療と1次予防の治療、どちらもがされなければなりません。

つまり、体質改善と内服薬です。 驚いたことに,「140台の血圧は走って汗をかいて治せ」といわれた(本当かどうかは不明ですが、これは間違いな治療法です。 十分な降圧が得られた上での運動療法でないと危険だからです)という衝撃的なことも開業後ありました。 私はまず自宅血圧計を買ってもらい、親である福田善晴とともに、おそらく世界初の、自前の血圧手帳を渡して、測定の仕方を教えさせていただいています。 99.9%の診療所や病院では、どこぞの教授が監修した血圧手帳が製薬会社から配られるのですが、正直使いやすいな、と思うやつはすぐに消えるし、書き方がコロコロ変わるのは患者さんのためにはならない、という考えです。 それで血圧をかいてもらったものを1−2週間見させていただき、栄養指導だけで様子をみるか、同時に投薬して、徐々に減らすことが可能かどうかを診ていきます。 90日処方する○○医者がいますが、9月と12月では気候も変わるでしょう。 患者さんは楽と思うかもしれませんが、春から夏にかけて、薬を減量する気などない治療法です。 全くもって私には理解できません。 医師も当然人間ですから、やる気がある人とない人がいます。 最終的に治療法を決めるのは患者さんですが、やる気がない(あるふりをしている人がいるので注意が必要です、本当にいます!)医師のもとでは、よくなるものも、悪いまま、となってしまうでしょう。 私自身が自分がかかりたい、と思うようなクリニックにしないといけないな、と思っています。

最近やっぱり聞きたいのは、最新のCCUなどの心リハです。 私が関わっていた頃は、up dateしていた(されていた?)のは自分自身で、周りのコメディカルがしていることを真似させていただいた、という感じです。 自分が関わった人に関しては、離床前から(今でこそ浸透していますが、当時はまだまだだった呼吸リハも勉強して実践していました)強く関わっていましたが、年齢はもちろん術後の急激な筋肉量低下に繋がると思いますが、若くても(20歳代)、心機能が相当に悪ければ、本当に10メートルが歩けない。 椅子とモニター心電図をもって一緒に歩いて得た知識です。 医師はその場だけってことが多くて、看護師や理学療法士が常にこの分野の先頭をきっている感じが今はします。 その発表を聞きに行きたい。 色々忙しく、演題は山ほどあるけども、出そうかどうか迷っている時に期限が切れましたが、今日メールで12/25まで延長となっていました。 悩ましいところです。 私は基本的に演題を出さないと学会には行けない、という徳島大学の特に国立善通寺病院ルールのもとで修行してきたので、今だに演題をださないと学会に参加しても、out putができない、と思ってしまいます。
しかし専門医などの維持のためだけに、学会場にいくだけで内容を聞かないという方もいます。 医師以外でもいます。 「君たち、何しに来たの?」 と。

心エコー検査で、心臓が拡がる(拡張能力)を調べる項目がありますが、私の著書でも55-85回/分の心拍数でないと判断に迷うことが通常です。 しかし、心室性期外収縮が「ぽんっ」とでると、次の心拍で「心拍数が少ない時の本来の項目」が測定できます。

また、心臓リハビリでは、頻脈性の発作性心房細動が、発作的に起こった時が重要で、その時は軽い負荷で時間を極端に短くして、運動中の脈を遅くする薬を、安静時に低くなりすぎないように追加、または増量させて、次の心臓リハビリのときに、運動中の心拍数をチェックするのが基本中の基本です。

なぜなら、心電図をつけてないときの運動中の発作が起きている時の心拍数をチェックできるのは「心臓リハビリ」だけの特権なのです。
「基礎」→「基本」→「応用」とはよく言ったもので、「基礎」ができてない人が。「基本」の治療をできるはずがありません。 応用もききません。 応用が効く、とは自分自身の経験を解析することでえられる「持論をもつこと」が重要だと私は思います。 持論がない人に、心不全、心臓リハビリ、心臓カテーテル治療ができるはずがありません。
なので、私は現在の心リハの施設(というか責任者としての医師)のレベルの差が激しすぎる、と思う次第です。