水曜日の午後は休診ですが、別段仕事をしてないわけではありません。 ここを勘違いされている方がいたので(患者さんではありません)書いておきます。

私の健診では、心音、肺の音、耳腔鏡をつかって鼓膜をみる、咽頭をみる、感冒気味の子供さんには特に気を使って診る、ということをしています。

夕方は研究会で勉強をして、帰ると執筆(本や論文)をしています。

大企業の方で、「水曜日の午後は休診でお暇でしょうから」というメールをもらったのですが、勤務医でも開業医でも暇はない、と私自身は思っています。 なので、医療業界を知らない人からそういったことを言われるのは、その方の休日の仕事への向き合い方が、いい意味でオン・オフをしているか、悪い意味では休日でも仕事のことを考えていないか、の判断になると思っています。

では、現在、CE(クリニカル・エンジニア)さんの学生さんの実習を受け入れる時期だそうです。 一緒に働いていたほぼ同級生の方が全国区で偉くなって、教えているそうです。 私も彼には相当教わりましたし、自分でも、CEさんや看護師がいくような、医師は「後は任せるわ」というのが嫌で、人工呼吸器の正しい使い方・適切な使い方・機器の見方を学んでいました。 彼のつぶやきをみると、「学生にとって実習は社会人になる前の非常に大事な経験なのに、損をしている奴がいる」とのことでした。 耳が痛い言葉です。 私も医学生3年生までは全く社会人になることなど考えてもおらず、各施設へ行ったりする研修でもグループで「早く終わってボーリングしてカラオケしようぜ」などと考えていました。 親友の一人が非常に勉強家で4年生から当時は大学病院の医局に入るのが当然だったのを、全く考えておらず、沖縄中部病院(研修医が過労死して有名になった病院です)の過去問を一緒に(英語なのですが!)解いたりしていました。 その親友がいなければ、社会人になる前から「勝負は始まっている」という感覚をもてなかったので、持つべきものは良い友人ですね。

昨年から当院でも高知大学医学部の学生さんが実習に来てくれています。 みなさん非常に熱心です。 私は大学院は徳島大学なのですが、なぜかどの大学病院でも四国こどもとおとなの医療センターでも、学生さんや研修医の指導係をすることが多かったです(その経験から執筆依頼が来たのですが)

「早く帰りなよ」というのは、ひょっとしたら残りたい人を帰してしまう(もしかしたら教えたくない、教えるのが面倒という意味で)指導者としてはよくないことだと思っています。 ただ、帰りにくい雰囲気を作るのは最悪です。 一番いいのは、時間内で効率よく勉強と社会経験ができること、だと思います。 ただそれを過ぎた時間は、サービスタイムです。 雑談でもなんでも、私が経験したことは全て教えますし、聞きたいことがあれば、知っている限りのことは答えたいと思います、それが仕事です。 実は私も学生さんから学ぶことがたくさんあります。 そういったことから、教えることは教わることだ、と常々思っています。

 

点鼻薬が海外では主流です。 日本では内服薬が主流ですよね(もちろん海外でも、使用はされていますが、日本よりも処方が多い、という意味です)

点鼻薬は第一世代(もう使われない)、と、第二世代の薬があり、3種類あります。

ナゾネックス、アラミスト、そしてエリザス、です。

ナゾネックスは高知県だけが、シェア1位という不思議な県です(遅れている県、なのかもしれませんね) 他県ではアラミストがシェア1位です。 知らない医師もいる可能性もあると思いますが(私も昨年まで知りませんでした)、エリザスだけが、粉の製材なのです。 なので、余分な成分が入っておらず、小児に使えない以外の弱点はありません。 エリザスは三重県と愛知県などの東海地方ではシェアが割と高いのですが、高知県では、1割すらありません(実際はもっと少ない)

慣れている方には、アラミストを処方しますが、今まで使ったことがない人には、エリザスを勧めています。
実際に効果がいいこと(アラミストと同様かそれ以上の可能性(理論上))、使い勝手が良い部分があることからです(人にもよると思いますが)

当院は鼻腔鏡(喉をみるように、簡易型の鼻をみる(痛みなどはありません))などを使用しています(院長である私が耳鼻科での研鑽で、耳腔鏡も使うことができます)

内服薬もその方にあった、最もいい薬を処方するようにしています。 循環器ならではのまた内科ならではの処方してもいい薬もだせますので、現存の薬で満足できてない方は来院してみてください。 その際、薬手帳をもってきてくだされば、より良い処方ができます。

 

採血検査項目が少なすぎると、思わぬ自覚症状のない疾患を見逃す可能性があります。 何でもかんでも採血、が良いわけではありませんが、例えば当院に通院され、ちがう病院・クリニックで採血をした場合、その科の、例えば肝機能だけ、が採血がされており、それが定期的なら、患者様も何度も採血されるのは嫌でしょう。

しかし、内科的には、時にアルブミン、コレステロール、腎機能を測定しないと、糸球体腎炎を見逃す可能性があります。 成人の腎臓病は急速に悪くなるものや、原因が悪性疾患であることもあります。

実際に、紹介状を書かせていただいたり、検査結果をみて、「これではずっと診ていく私にとっては、患者さんの全身をみていることにならない」と感じた時は、他科の先生に依頼するか、一番良いのは、総合内科的な採血を私のほうで、たまにさせていただくことが重要と考えます。

そのことで、腎炎を何人も指摘することができます。 実際におこりうることなのです。

他科にもかかっていて、採血しているからいいや、では危ないこともあることを理解していただければ幸いです(もちろん、検査結果に内科的なものが入っていれば私のほうで採血することはありませんが、心臓病でかかっている患者さんに、心臓病のマーカーは、他科ではとりません(とっても説明が専門ではないのでできないので、急性疾患を除いて、循環器内科以外で測定するのはどうか? と学会でも提言されています)

鶏が先か、卵が先か。
腎障害の患者さんでは、尿酸が高くなる、鶏が先、は当然とされています。

では、尿酸値が高ければ、腎障害はあるのか?

答えは、ある、です。

最近、海外のガイドラインでは、尿酸値はあまり重要視されていませんが、最新の日本のガイドラインでは、腎機能障害予防、心血管イベント予防に対して有用とされています。
私がみた海外の論文でも尿酸値は4.8-5.2程度が悪くなく、それよりも低い3.0以下は不明、ということも報告はされています。
心血管イベント(心筋梗塞、脳梗塞など)を悪くしないのは、血管の一番内側の内皮細胞に尿酸が高いほど悪さをする報告があるからです。

最も、現時点では、尿酸を下げれば下げるほどいい、というわけでもなく、尿酸を下げる薬で、尿酸を作る酵素を阻害することが人体に良い影響を及ぼしている、ということです。

薬は少ない方がいいに決まっていますが、必ず飲まないといけない薬があるのも事実です。

今後、腎障害、心血管が悪い方には、必須の薬になるかもしれません。

なぜなら、今の薬では、残余リスクといって、栄養管理、運動、必須の薬剤、だけでは疾患の増悪の進行があるためです。

ちなみに、酵素を下げる効果(とくに腎臓)は3つの薬で、トピロリック>フェブリク>ザイロリック
という報告が2017年に日本から報告されています。