心臓リハビリテーション

初めての患った病気が心臓病の方は○○にご注意

明日、私が世話人をして座長をする、高知の心臓リハビリテーションの研究会があります。
私自身も発表をします。 その発表の内容は、「心臓病が生まれて初めて患った方は、4−5年後に20%の確率で癌が見つかる」という、世界初の発表です。 もちろん、きちんとがん健診・検査をしていることが前提です。

何が言いたいかというと、ほとんどの循環器内科医は「がん治療」や「がん検査」を経験したことがないので、心臓病をみる観点からしかものが言えないことが多いのです。 多くの報告が、心臓リハビリテーション(心リハ)を行うと、心臓病の再発が少なくなる、というものです。 「運動はがんを減らす」という報告がありますが、これは健康な人での報告です。 心臓病の方は糖尿病の気があるので、癌になる確率が高いのです。 心臓リハビリテーションをすれば癌の確率がへる「かも」しれない、という根拠のないことが言われることがありますが、証明されたことは今までありません。

そして実際に心リハを行って、体力がついても、癌になる確率は変わりません。 心臓病を患うと、どうしても患者さんは心臓のことだけを考えてしまいます。 その気持ちも十分わかります。 しかしこの発表、論文を読んだ方が、少しでも、心臓以外のことを考えてくれると、世の中も変わるかもしれません。