当院ではからなず、動脈をみて動脈硬化や動脈瘤をみています。 膀胱もみて、検診を受けている方で「問題ない」と言われている方の膀胱癌を見つけたこともあります。
検診のガイドラインでは、そういったところをみることが推奨されていません。 なぜか?
私なりの考えですが、動脈硬化を見る技術がない、また動脈は長いので、流れ作業のように行う検診では時間的にみない。 膀胱癌の半分はポリープの形をとらないので、エコーでわからないことがあり、「問題なし」と言えないから。 だと思います。 全身見ることが売りの検診。 漏れがない、と患者さんは思っていることが恐ろしい。
あとは、先進国で胃のバリウム検査をしているのは日本だけ。 超一流の放射線科医がみて、「あれ、へんだな?」と思うものを胃カメラでみると全く問題ない、といった場合や、私も以前はしていましたが、胃にポリープがある、ので、胃カメラをしたら、早期の食道癌がありました。 ちなみに胃のポリープは基底腺ポリープといって問題ないものなのですが(だいたい見た目で分かります)、検診で見つかったものは、組織をとる決まりになっているので、二重に無駄だし、ポリープがなければ、食道癌がわからなかった恐ろしさ。 それ以降私は、胃のバリウム検査をすることをやめました。 あれは意味がない。 検査技師学会などが、職をうしなわないため、と、胃カメラをする人物がたりない、胃カメラの方が時間がかかる、などが原因でしょうか。
国民の健康を考えると、「安く」検診で胃カメラをするべきですね。 ピロリ菌を除菌した方や、胃の症状がある方は、わざわざ検診でバリウムや胃カメラをする必要は全くありません、無駄です。 かかりつけ医で胃カメラをしてもらってください。 組織もとれますし、心臓のことなど詳しくわかっているので、検査の前にする処置で間違いが起こりません。 とりあえず、国会議員で「胃のバリウム検査は反対」法案をだす人は、、、いないでしょうね。 放射線技師学会から総スカンをくらうでしょうから。 ただ、そういった忖度をするのがいけないのではないでしょうか? 残しておいても良いけども、「胃カメラに負ける検査」という位置付けを、早急にしないと、俗っぽい言い方ですが「ヤバイ」ですね。 胃カメラを数千件した医師(私もそうです)をかかりつけ医にするべきです。
消化器疾患について