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風邪が流行っています

6月からはいくら診てもらっても咳がとまらない、という方を当院で私が診させていただき、2名、百日咳の方がおられました。 流行りの時期で、典型的な症状だったのですが、すぐに診断ができる疾患ではないので、「後医は名医」のごとく、後から診察した私が診断に関しては有利だったわけですが、少しは疑っても良かったのかな、と思ったことでした。

10月も中旬になり、寒暖の差で、風邪が流行っています。 私は呼吸器科の先輩医師から「内科で最も難しい疾患は、呼吸器の私からすると風邪だ」と聞かされて研鑽していました。 香川の四国こどもとおとなの医療センターでは、救急車でくるような方に対して、髄液をとり、髄膜炎の診断にいたり、治療をしたこともあります。 なかには、「肥厚性硬膜炎」という珍しい疾患を診断し、治療にあたったこともあります。

想像は知識に勝る、という格言があります。 休日はもちろん、平日に、風邪で診療所や病院にかかる人は、相当しんどい思いをしているのだろうと思って治療にあたるのはもちろん、その方が、今後どうなるのか、を予測する治療をしないといけない、と思って治療することが、私たち町医者の使命だと思っています。 これは大きな病院の救急外来などでは、そういう風に考えられないことも事実です。 実際に、夜間救急外来にいき「こんな症状でくるな」という態度をとられた! と怒って当院を来院される患者さんもおられます。 病院の規則や医師の本当の勤務時間でない夜間(実際は診療をしないことになっているが、これを厚労省が認めてしまうと、医療崩壊がますます進むので多くの医師が過労死するわけです)の気持ちも分かります。 ただ、そういう態度をとる医師や、普段でも同じような態度・処方をする医師は、なぜ医師になったのだろう? と不思議に思います。