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当院では外来インスリン導入を行っています

「タバコ」はニコチン中毒でなかなかやめれません。 実は糖尿病もある程度、血糖値が高いままが続くと、「脳」が「あー、血糖は高くていいんだ」と勘違いしてしまい、血液中の糖が高いままになってしまいます。 これを「糖毒性」といって、タバコのニコチン中毒と似ています。

糖毒性の解除には、血糖を急激に下げすぎず、徐々に血糖値を正常に戻すことで、「解除」できます。 新しい糖尿病の薬、尿に糖を出す薬が期待されていますが、一番いい方法は、入院して食事の見直し、血糖値を測定しながら、インスリン注射をして、血糖値を適切にコントロールすることです。 「糖毒性」になってしまっていれば、「膵臓」がインスリンを「脳」からださなくてもいい、と働きかけられているので、正常に機能していません。 そこで、外部からインスリンを皮下注射して、脳と膵臓の機能を回復させる訳です。 ただ、既に膵臓の機能が悪くなってしまっている場合はインスリン治療が生涯必要(でないと死に至る場合があります)なこともあります。 しかし、膵臓の機能が残っていれば、糖毒性の解除でインスリンが必要なくなることもあります。
糖毒性をとるために、入院ができない方のために、当院では外来にてインスリン導入をしています。 低血糖にならないように、3−4回ほど短期間の間に指導をさせていただくと、安全に導入できます。

インスリン治療は膵臓を休ませる効果もある点で、糖病尿の治療薬を多量に内服するよりいいことがあります(コスト面でも実はインスリン治療の方が安いことがあります)。 また、インスリン治療がどうしても必要な場合に外来で導入できれば患者さんの負担も少ないと思います。
一番誤解されやすいのは、確かに生涯インスリンが必要な方もおられるのですが、一時的に使用し、その後は内服薬に切り替えすることが可能、また食事療法や運動療法で「治る」ことも知っておいて欲しいことです。

そして、糖尿病の方は、悪性腫瘍になる確率が免疫力の低下で高くなるので、肝臓をはじめとする、腹部エコーなどのがん検査が重要です。 血糖値イイネ、血圧イイネ だけでは、地域の方の健康を維持することは出来ないと考えています。

私は2050年まで皆様と一緒に健康でいられるように(私も含めてですが)、大きな病気にならない、なってもすぐ治療できる体制を一宮絆クリニックでは、大病院とも連携をとりつつ、頑張って行きたいと思っています。 (2050年を目標としたのは、私の指導医が掲げた目標で感銘をうけたので、書かせていただきました)