心臓・血管の疾患

1年を通して血圧を一定にする大切さ、1日においても同様(ヒートショック)

1年を通して血圧を上下させずに一定にすることが重要なことは分かっているようで、私が「ヒト」で探した論文は限られていました。 英文、和文の論文があり、それぞれで、「心不全で入院したことがある人は血圧が高すぎてもいけないが、低い人も再入院のリスクが高まる(理由は他の論文からの引用が2つほどで、心臓を栄養する血管に血液が供給しにくくなる、というものでした)、「5年以上の高血圧のコントロールで140以下よりも130以下の良好なコントロールができたのは、新しい血圧の薬の影響である」というものでした。 ちなみに、英文の論文は対象となった患者さんが多すぎることでケースバイケースではなく、逆に限定されてしまっており、血圧は130がいい、という結果になってしまっていました(それよりも高くても低くても再度の心不全などのリスクが高まる、という結果でした)。和文の論文では対象人数が少なく、長期にわたって血圧を一定にした方がいい、というのが前提のもと降圧薬について述べていた論文であり、私の今回の探し方が悪かったかもしれませんが、いずれにせよ、治療の方針、ガイドラインで血圧は高いよりは低い方がいい、ことは推奨されています。 最近の報告では降圧薬で110を切ることがあるのは良くない、ということもあり、より厳格な血圧のコントロールを医療を提供する側も患者さんも気をつけないといけない、と思います。

さて長い期間でみると上記のような結果になりますが、1日という短い期間でも血圧の上下がありすぎることはよくありません。 気温や室温での血圧の激しい変化によって、「ヒートショック」という心臓への負担による心臓血管疾患が発生するからです。 寒いところに急にいく、だけでなく、暑いところに酒を飲んでいく、という、血圧が上がるだけでなく、下がることもヒートショックの原因です。

そう考えると、サウナに入り、その後水風呂で整う、はずがありません。 医師で水風呂にサウナ後に「じゃぼん」としている人を私は今まで見たことがありません。 是非やめていただくようにしてください。