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BNPを測定する意義

BNPは心臓の負担度を表す値で、心筋細胞がストレッチ(引き伸ばされる)と心筋細胞の間の部分から分泌される、とされています。 日本語訳がいいものがなく、脳性ナトリックウレティック蛋白質と略すのも実はあまり実際の働きなどを連想させないため、そのままBNPで覚えた方がいいと思う次第です。 BNPを測定して何を考えるか、が重要であり、意義が不明なら測定しない、されない方がましです。

BNPは腎臓から尿中にでていくので腎機能が悪いと高値になります。また心房細動の患者さんでも高値にでますが、心房細動の方が心不全を起こすとより高値になります。腎臓から尿中にでていくまでの時間があるため、BNPが急に高い時は心房細動に発作的になっていた可能性も考えなくてはいけない、ということになります。

心筋梗塞(狭心症)や弁膜症とは直接的な関係はないかもしれませんが、一部の心筋細胞が動かないような状態や心臓内を行き来する血流があれば、他の部位や心臓全体がよりストレッチされて血液を拍出しなければいけないため、そういった疾患も調べる必要があります。

どのくらいの値で検査をした方がいいか、これは以前からの値との変化もあるのですが、正常は20までとされていますが、BNPは脂肪細胞に吸収されるため、痩せ型の方で、特に貧血気味の女性では高めに出ることがあり、40を一つの区切りとして考えるべきだと思っています(ただ元々測定不能というほど少なかった値が急に39になった場合などは検査をするべきしょう) 40以上で心臓の検査をすれば何かしらの疾患が見つかる可能性があります。 高血圧だけなのかもしれない場合もあり、それが心臓に影響していた、というケースもあるでしょう。 80以上だと詳しく検査をしないといけません。 200以上だとかなり悪い状態です。 1.000以上はすぐさま命の危険があるような値なので(透析中などでなければ)、測定している状況では患者さんは通常の外来にこれていないと思われます。