特別講演は、心臓超音波検査と心臓カテーテルを同時にしている(た)先生にとっては、まさに「神ってる」講演をされる、桜橋渡辺病院の岩倉克臣先生で、私はその前に一般講演をさせていただきました(3月24日)。
私の講演内容は、最も新しい糖尿病の内服薬、SGLT-2阻害薬は、①どのような人に効果があるのかの予測 ②その薬によって筋力が衰えないかどうか、という内容です。SGLT-2阻害薬は実は糖尿病学会や老年病学会で、まだ根拠(エビデンス)となる論文はないが、筋力が衰える「フレイル(またの機会にご説明します)」を起こす可能性がある人には投与を控えるように、というお触れがでており、糖尿病専門の先生ほどあまり使われていないのが現状だと思います。
このSGLT-2阻害薬は「尿に糖をだす効果がある」という全く新しいコンセプトを日本人が考え、アメリカで最初に販売された薬です。またその後の研究で、既存の糖尿病薬ではなかった、心不全による入院だけでなく、内服している人の総死亡数が減ったというエビデンスがあり、私のような循環器内科医が多く使う傾向があります。
講演の結果ですが、①については、一日の総カロリー摂取のうち蛋白質の割合が多い(適切)な人ほど効きやすい。私の執筆した論文では、簡単な採血検査でPIM(: protein intake markerの略、SGLT-2阻害薬を内服する前の平均赤血球容積のことで、何もその日に採血する必要はありません)が高い人ほど効果が得られやすい、内服開始時に管理栄養士による栄養指導を受けること、適切な運動療法を始めること、結婚していること(おそらく外食が少ないためだと思います)、そして握力が高い人ほど効果が得られやすいという結果でした。
②については、適切な使用をすれば筋力は衰えない、という私の論文を報告しました。昨年には、日本人の開業医の先生が、むしろ握力は増大するかもしれないという報告もあり、今後詳しく論文を見ていく必要があると感じています。
講演会のあとは、岩倉先生を囲む会を、高知赤十字病院の循環器内科部長の近藤先生が開催され(近藤先生、お呼びいただき有難うございました)、浜田循環器内科の院長先生である、濱田富雄先生と私の4人で、循環器病の今後の展望に関してだけではなく、日々私が疑問に思っていることなどをご教授頂き、医療以外の楽しい話で盛り上がりました。
講演会のあとは、岩倉先生を囲む会を、高知赤十字病院の循環器内科部長の近藤先生が開催され(近藤先生、お呼びいただき有難うございました)、浜田循環器内科の院長先生である、濱田富雄先生と私の4人で、循環器病の今後の展望に関してだけではなく、日々私が疑問に思っていることなどをご教授頂き、医療以外の楽しい話で盛り上がりました。
さて、講演会は4月にもあります。また9月にも予定が入り、早速今日から勉強しています。
医療は日々進歩しています。町医者になったから、といって腕がおちる、ということがないように、今後も努力していく所存です。
※写真左:岩倉先生との2ショットです。
※写真右:その後の食事会の様子です。鹿児島の幻の芋焼酎「森伊蔵」が飲めるお店でした。