正式には収縮期血圧と拡張期結圧になります。 「下の血圧の方が大事と聞いた」という患者さんの声を聞いて再度拡張期血圧についてブログに載せようと思います。
拡張期血圧を決めるには、動脈硬化説、と、血管内体液量説 の 2つがありますが、私は血管内体液量説の方が分かりやすいし正しいと思っています。
動脈硬化説とは、血圧を測定する以降の細い動脈から動脈硬化が始まるため、その部分の動脈は拡張することができず、血圧を測定する中動脈あたりに血液が集まりやすくなり、血圧を測定すると上の血圧が同じでも下の血圧が上がる、というものです。 正しい部分もあると思いますが、加齢で上の血圧が上がり下の血圧が下がる傾向になることの説明が出来ません。
血管内体液量説とは、動・静脈、と心臓内、つまり血管内の血液量が増えることで上の血圧は変わらずとも心臓が収縮をやめ、大動脈弁が閉まり、動静脈が閉鎖空間となったとき(拡張期)に下の血圧が上がるのは、塩分過多や肥満などで体細胞が多い、また前述の動脈硬化説の体内血液配合分布異常がある、というものです。 これは裏付けがあり、大動脈弁逆流症が高度(重症)になると、拡張期に血液が心臓内に多くの量が戻るため拡張期血圧が下がる、ということが分かっているため心臓超音波を専門としている私としてはしっくりとくる説だと思っています。
私が上の血圧をより重要視してほしい、と思っているのは、弁膜症の存在で血圧が劇的に変わったり、熟練の看護師が測定しても明らかに上の血圧よりも下の血圧が測定しにくくバラツキが多い下の血圧より、測定誤差が少ない上の血圧が重要と思っています。 決して下の血圧を軽視しているわけではありませんが、究極の選択でどちらを治療の選択に選ぶか、なら上の血圧、というわけです。