一言でいうと、院長である私の許可なく医療方針を変えないこと、です。 この方針は私が米国留学時に研究室のボスから「日本人は最初にreport(報告)がきて、実験結果の検証(discussion)をしようとする。ほうれんそう、というものだろう。それでは駄目だ。最初に最終決定権と責任者である私(ボス)とdisscusionをして方法を決めて、実験をする。最後にreortにこい。そうすると実験のミスが減る。無駄な実験がなくなる。いいか、ここは私のラボなんだ、私の意向に沿わない実験をされても困る」というもので、非常に厳しい研究室でしたが、非常に感銘を受けました。
逆に基礎研究とは失敗の積み重ねなのですが、この方法をしている限りは、怒りっぽいボスも絶対に怒らない。この方法以外で、自分勝手な方法を試そうとすると非常に怒られている研究者がいました。私は1 年契約で行ったのですが、2年目の契約を持ちかけられたのは、この方針を絶対に守っていたからだったと思います。 私は基礎研究の素人でしたが、ボスからして見たらいくら優秀でも、自分のラボのルールに従えない人は良い待遇を受けていなかったように感じます。
さて、日本に帰って来て1年で開業の話がきて、開業するときに「何事も最初に院長である私に相談。決定権は私にある」という方針は非常に患者さんにとっても有益です。 なのでそれを確かめるためのミーティングは新しい事案が出て来たときにするようにしています。 他の診療所よりもミーティングは多いのではないか、と思います。 私の考えをスタッフに知ってもらい、それを実践してもらう、その時に意見があれば聞き取り、良い意見であれば採用する、という方針です。