大前提として、心臓リハビリテーション(心リハ)と「サムスカ(日本で作られた利尿剤、一泊入院しないと処方ができない)」は、医学生の教科書さえも変えてしまうほど、良い治療法・薬剤だと思います。
しかし、心リハは「包括医療」を謳っていますが、消化器内科医を目指していた私からすると、これからの心リハは「循環器的包括医療」という名前に変えるべきだ、と思っています。
※ちなみに「包括」とは、ひっくるめて一つにまとめること、とされる言葉です。
心リハが包括医療を名乗るのが良くないと思っている理由は、「心臓病にかかる」→「心臓病の治療をする」→「急性期心リハをする」→「慢性期心リハを診療所でする」で、「包括医療をしている」と言えるでしょうか?絶対に言えませんよね。
心臓病を患う前と慢性期心リハをしている最中に、糖尿病の存在、整形外科的疾患の存在、認知症から介護保険を使って介護施設などの利用、そして癌を見つけるための医療ができることが揃う事で、初めて包括医療への道がみえてくると思います。胃カメラや腹部エコーが出来ないなら、診診連携や病診連携を蜜にすることが大事です。
心リハのガイドラインにそういったことを載せないと、包括医療も載せてはいけないと思い
ながらも、「がん検診を疎かにしない、専門的循環器医療」をモットーに、胃カメラ、腹部エコーなどをする日々を過ごしています。
※ちなみに画像は、心リハ参加中の患者様で私が見つけたごく一部の疾患です。早期発見することが出来ました。「心リハはいいです! 包括です!」だけを謳うことが、いかに危ういかが分かってもらえると思います。