消化器疾患について

腹部の触診

高知県で初めて心臓の手術をしたのは宮本信昭先生です(と聞いています) 私の父親の先輩でもあり、仲も良く福田心臓・消化器内科で働いています(今は一般外来はしていません。父親は一般外科の手術や当時は心臓外科医がする静脈瘤の手術も宮本先生に指導してもらい実際にしていました)

私は医師2年目と3年目を実家の診療所で過ごした、という異色の経歴を持っています。 当時は色々な手技・知識が身につかないのでは、と同級生と電話などをして焦っていましたが、父親の外来や病棟での診療をみて非常に勉強になり「急がば回れ」か、と今ではそのことがないと思うと、4年目からの奮闘につながらなかったのだろうなと思います。

そんな中、宮本先生が外来をしていて、腹痛の若い女性がいて「間違いない、虫垂炎(盲腸)やな」とおっしゃり、私も触診させていただきましたが分かりません。 お腹が痛くて触ることが難しいからです。 「宮本先生、CTをとってはどうでしょうか?」と進言したところ、「じゃあ漢方薬の芍薬甘草湯を2包飲んでもらおうか」で女性のお腹の筋肉が弛緩し、私にどこに虫垂があるかを教え、「ここにあるやろ」で触診するとたしかに3mm程度の細長いものが触れます。 触れた瞬間、「そこが痛いです」で、「CTは必要ないよね」ということで大病院に紹介し手術となりました。

そういった経験もあり、「心音」も大事ですが、肺の音や、腹部の音 などに興味を持つようになりました。