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アンチテーゼの論文は通りやすい → 世界初のことも通りやすい

徳島大学の大先輩からの教えです。 ちなみに、テーゼとは命題、定立の意味で、そのアンチですので、命題に反対すること、ということです。 ちなみに、ジンテーゼという言葉もあります。 テーゼが日本人は優しい、なら、アンチテーゼは日本人は優しくない、で、ジンテーゼは日本人には優しい人もいれば優しくない人もいる、という統合したような意味です。 結局論文は言い切ることはなかなか出来ないので、ジンテーゼに近いものになることが多いかもしれません。

私自身はアンチテーゼを意識しながら、世界初のこと、も論文では通りやすい(当然医学論文は世界初の知見なのですが、ここでいう世界初とは、今まで全くなかった考え方、などをさします)と思い、勉強しています。

例えば、「恋する心エコー」という本は、現役バリバリの最前線で当直しまくりの私が実践ではこうだ、ということを書きました、それも世界初の考え方です。

また、循環器疾患にかかった人は5年以内に7-22%で何かしらの早期がんが見つかる、という世界初の論文を出しています(今年) 以前から発表はしていましたし、学会の教育講演に私のスライドが使われました。

大きな病院では循環器バカでいいのですが、一人で開業することを考えた医師2、3年目から、循環器バカでありながら、他の分野も幅広くみることで、FIT indexという世の中に心エコー検査で有酸素運動をするときの心拍数がわかる、さらに予後までもわかり、左室と右室を統合した指標としても世界初です。 当院の心エコー機器には自動的にどのくらいの心拍数がゆうさん騒動なのかが自動的にでるようにしています。 FITとはフィットネスを想像させるように名付けました。 また左室・右室をfix(統合する)ような意味も込めています。 今後の私のテーゼは、このFIT indexに筋肉の指標を加えたときにより、心リハや運動療法をする人にとっていい指標ができる、ということです。 ただ、指標につかう項目が多すぎると複雑になりすぎることもあります。 いろんなことを考えながら検討する、これが臨床研究です。