心臓・血管の疾患

足の浮腫み

少しだけ浮腫みがある、ということなら、ほとんどが、塩分過剰摂取、足を下にしたままの姿勢で仕事などをしている、足の筋肉が弱く汲み上げれない、お腹が出ている人は腹圧が高く足の血液が心臓に到達しにくい、などです。 対処法は、塩分を過剰に摂取しない、仕事中などに立ってかかと上げなどの足の筋肉を収縮させる、弾性ストッキングを履く、痩せる、ことです。

しかし、以前より明らかに浮腫みがひどくなって来た、また足がテカテカになるほど浮腫んでいる場合は病的な浮腫です。

何を考えるか? 心臓、腎臓、肝臓、甲状腺、腹腔内の悪性疾患(があって静脈を圧迫している)、下肢自体の問題です。

腎臓は顔も浮腫むことが多く、肝臓の場合は黄疸といって体が黄色くなることが多く、甲状腺は脈が早くなっており、腹腔内の悪性疾患などの場合は全身が痩せていることが多く、下肢自体の場合は頻度が非常に少ない、ということから、まずは心臓から調べることになります。

ここで、医療関係者は「サードスペース」という言葉を知らない人はいないと思います。 間質に水が溜まる、というときに、その間質=サードスペースというわけです。 では、ファーストスペースとは? セカンドスペースとは? はあまり知られていないことだと思います。 循環器専門医なら知っていて当たり前ですが。 ファーストスペースとは細胞内のことで、浮腫みで大事なのは、セカンドスペース、血管内の血液量です。 これを心臓超音波のときにみます。

私は、アメリカ心臓病学会の3段階評価も大事だと思いますし、なによりも、静脈の呼吸性変動といって、息をするときに静脈の大きさが変わるかどうかを評価しています。 まったくセカンドスペースに血流量が少ない場合は心臓疾患ではない可能性が高い、と考えますが、心臓自体の機能も大事なので、一概に言えないので、総合的な診療が大事なのです。