医者も当たり前ですが人間ですので、それぞれ性格があります。 随分前から(現在40歳前半くらいの医師(私も含めて))医師は成績はもちろんですが、人間性のテストが組み込まれるようになりました。
しかし医師向きでない性格、人格を見抜けるテストは難しいのではないか? とはおもいます。 なので米国などでは一般の大学を出て、そこでの奉仕活動や成績以外のことを点数化して医学部に入れるかどうかがためされるようになっています。
今現在、高知大学医学部の学生さんに「プライマリ・ケア」の実習で、おこがましいのですが、指導をしています。 私としては、「大きな病院で医療技術を磨くこと」も大事と説明していますが、それ以上に、「大きな病院で医療技術がある程度身についたら勘違いすることがないように」という説明をしています。
これは、私もですが、医師全員が陥りやすい(どっぷりおちいってしまっている医師はもう話になりませんが)盲点です。 大きな病院では(もちろん私の診療所もですが、特に大病院でのことです)「決して、あなた、という医者にかかりたくて、通院しているわけではない」という謙虚さを持って欲しい、ということです。 もちろん中には、大病院でも「この先生だからかかる」というのもあるかもしれませんが、私の感覚では非常に一部の医師だけですが、そういった医師は当たり前ですが謙虚で、人間性がいいのはいうまでもありません。
診療所の実習を通して学んで欲しいことは、「患者さんにとって一番いい方法を選択するべきである」という原点を忘れて欲しくない、ということです。
私は、異色の経歴をもっています。 研修の途中に父親の診療所に帰って2年間務めた経歴があることです。
そうすると、診療所の医師がどういったことで困っているか、が分かった上で大学病院や地域の最終拠点病院で働いていました。 いくら親が開業医でも、こういった経歴をもつ医師は私が知る限りいません。 医療技術にかんしては遠回りしましたが、all day, all nightで人の倍働き、勉強・研究しました。
大病院で働いている、若手の医師には、もう凝り固まってしまっているよくない考えを持つ医師の下で研修をうけない、うけても流す程度に、「ふーん」と聞き、本当に信頼できる医師のもとで研修をして欲しいと」思っています。