宮本武蔵の「五輪書」に記載されている言葉だそうです。 勝負事には、相手の体だけでなく、「心」も観る必要がある、という内容です。
これは医療にも発展させられる言葉だと思います。 病気を治すには、その方の病気だけでなく、その方が「どのように思って」治療をうけるか、が大事だと思います。
例えば、私の造語に、「納得できない検査は、あまり意味がない場合が多い」 というものがあります(もちろん急性心筋梗塞などで、治療をすぐにしないと死んでしまう場合を除いて、です) 医療の技術はもちろんですが、患者さんが、「それをしてもメリットがないだろう」と思っていると、検査自体が意味がなく、患者さんはさせられた、と思うでしょう。 それが医学的に正しくても。
なので、患者さんに納得してもらえるように、昼夜新しい知識を取り入れて、複雑化していく医療に対応するように心がけるべきだと思っています。 説明が上手ということは、医療の知識が浅くなく深いことを示すからです。 ガイドラインにこう書いていあるから、だけでは納得されない方もいるでしょう、なぜそういうことになっているのか、私自身も説明して欲しいと思うからです。
医療は数字だけでは語れません。 将来を見越して、良いことはどんどん取り入れるべきだし、医療現場のことを知らない人に、善意であっても間違った説明を聞かされることは避けるべき、という意味もあるのではないか、と「観見二眼」から受け取る次第です。 私はマイナス思考で最悪の場合を想定して医療を行なっています。 先行投資、というビジネスでも言われることは、医学では、古びた医療を行い続けることが間違っている、と思うので、他人の意見を聞くことは重要だと思いますが、自分で吟味して、間違ったことは取り入れません。 医療現場で瞬間瞬間に起こっている事象に数字は全くあてになりません。 医療をビジネスとして考えることはひょっとすると重要かもしれないし、考える人・事は大事かもしれませんが、私自身のスタンスは「医療はビジネスではない」と思っているからです。 いかにいい治療をうけてもらうか、その環境作りが大事と考えています(これを理解してもらえない方がおられるのも事実です。 医師でもいますし、医療業界に疎い方に多い傾向です)