高知県では騒がれることはあまりない、と思いますが、人ごみの多い京都や東京などでは、「感染症の否定は結核から」と習いました。 今でも、当院が気管支炎や肺炎の治療をする時に痰の検査を重要視していることには、結核の否定、も含まれます。
結核となれば4剤の治療薬で治しにかかりますが、そのうちの一つである、ニューキノロンという種類の抗生剤は普段の診療にも使われており、この薬剤内服後だと、痰から結核菌を見つけることが困難になってしまう恐れがあるからです。
痰がでないから、といって、では耐性化が予測される薬を投薬するのもどうかと思いますし、痰がでるまでなにもしない、のでは大学病院で入院している重症の患者さんに対して行う重要な治療方針でない場合以外は、治療の選択肢に入れるべきでしょう。
困っている人をそのままにしない、のが、医師である前に人として普通だと思うからです。