CT検査では、単純性嚢胞(水や血清成分が袋状になったもの)はそのサイズのみをレポートしますが、中に隔壁(部屋の仕切り)があったりすると、Bosniak分類によって分類されます。 実は造影剤を使わないとわからない部分があるのですが、私はエコー検査でも、「嚢胞あり」とは書かず、単純性なのか(Bosniak分類 I)なのか、それ以上なのかをエコーである程度見分けるように心がけています。理由は高齢であったり、CT検査が受けられない方がいるからです。
Bosniak分類では、IからVIまで、IIFを入れると5分類に分かれます。 I(単純性)、II(隔壁(嚢胞の部屋を仕切るもの)が多い)のものは、悪性度は低く良性とされます(そもそもBosniak分類はCT(しかも造影剤を使用しての検査)での分類です)
IIFは造影CTで造影効果があり、Fはfollowの意味であり悪性になる可能性があり、IIはフォローの必要性低く、IIFはフォロー必須です、IIIは隔壁が非常に厚く、形も不整なもので、IV型は内部に腫瘤(ポリープのようなものです)がある、と分けて考えなければなりません。 IIFですでに5%の癌の可能性があり、IIIだと50%の確率で癌、IVだとほぼ悪性(癌)であるため、CT検査を造影剤をしながら検査(もちろん、造影剤を使わないCT検査と比較してが重要です)が必要です。
嚢胞があるね、水たまりの袋があるね、 だけではなく、 賢い患者になるには、悪性度はどのくらいですか? と聞く必要があります。
本来はエコーで分類するものではないので、より詳しくみる必要があります。
※2019年のブログを改変しました。IIF以上でフォロー必要です。 IIでフォローが1年後に必須かと言われればIIかIIFか造影剤を使用しないと不明な場合があったり、放射線科専門医でも造影剤を使用しないと判別困難な場合があり、造影剤が使用できない患者さん、専門読影医がIIかIIFで迷う、という場合は1年後以内のフォローが必要ということです。 当院ではエコー検査をしていますが、CT検査(造影剤を使用しない)を福田新造消化器内科で行うことがあります。 IIの場合にフォローが必要と2019年に書いたことで混乱をさせて申し訳ありません(2022年)。 エコーでフォローせざるをえない場合や上記に該当する患者さんについてはIIでもフォローしているとIIFの可能性がでてくる、ということから、単純CTでIIと診断され、IIFの可能性がありえる場合フォローが必要と思う次第です。 エコーなら尚更、ということです。