糖尿病のガイドラインは大きく変わって、HbA1cという1-2ヶ月の血糖値の平均値が、6.0以下が望ましい、7.0以上は合併症がでる、8.0以上はその確率が大きい、というものですが、これは、以前と比較して、「低血糖にならないように、甘くしたガイドライン」であると聞いています。 低血糖は直接死に至ることもあります(もちろん高血糖もそうですが、低血糖のほうが危ない)が、場合によっては、8.0以上でも8.5以下ならコントロールは十分である、という文言もあります。
その中にSU剤という、簡単に言うと、膵臓にムチをうって、無理やりインスリンを出させる薬です。 当院ではこの危ない薬は処方しません。 20年まえほどは、この薬が主流で、他の良い薬がなかったのもあったのですが、当院では他院で処方されている強いSU剤を患者様の同意をえて、弱い薬に変え、その後、SU剤を中止するようにして、現在糖尿病の方に処方することはしていません。 SU剤は簡単に血糖をさげることができますが、下がった血糖はひょっとすると血管の内側に溜まっているかもしれません。 できれば使わないことが推奨されています。 その代わり、超短時間の食直前にインスリンをださせる、膵臓に負担が少ない処方はします。
もちろん、case by caseのこともあり、SU剤がでたら駄目、というわけではありませんが、まずは「食事療法」、「有酸素運動」、そして食後血糖を意識した処方が大事だと思っています。 これは、四国こどもとおとなの医療センターで、HbA1cが高い人は、ステント治療ができないことがある、という経験から、低血糖に十分気をつけて処方を心がけています。