他院でインフルエンザではない、と、迅速キットで判定された方がこられました。 「普段は38度もでないのに」と。
そう、この時期38度の熱で胸部の聴診で問題なければ10中8,9はインフルエンザを強く疑わなければならないでしょう。
そうされなかったのは、おそらくキットの盲信者、周囲にインフルエンザの方がいなかった、関節痛などがない、などでしょうね。 私自身、2011年の北海道の開業医の先生が論文化するまえから、咽頭所見で見分けはつく、と思っていたので、2016年の論文では、インフルエンザキットは時期などを考えなければ当たる可能性は6-7割。 ただし、血液検査で1週間後に正しく検査したときの、インフルイクラ(咽頭のリンパ濾胞)の所見は95%当たる、という論文もありました。
今まで見慣れてない医師(海外の医師はみないでしょう)や、このことを知らない医師も、インフルエンザの方を、普通の感冒や細菌性咽頭炎として、出してはいけない「ロキソニン」を処方してしまうことが恐ろしい。
正しく咽頭をみるコツもあり、「あー」と声をださせるのはナンセンスで、息を吸ってもらうのが、喉頭蓋が上がるため、解剖学的に見やすい、のと、LEDのライトでみることが大事(これは論文でも明記されています)です。
私は、この所見を15年以上みてきたので(LEDライトでない時期もありましたが)、迅速キットは基本使わないと保険医療が通らない場合があるし、説得力があるので使いますが、必要ない場合もあるほど、この所見は大事です。