心臓・血管の疾患

胎児の心エコー

10年近く前の日本心エコー図学会で、「胎児は心臓の拡張する力が弱いのはなぜか?」という難しい質問に、私の上司が「胎児はまだ、心臓の力が「未熟」だからではないでしょうか、というかなり適切なアドバイスをしていました。
自律神経もそうで、小児は「未熟」、高齢者は「退化」している、という表現を私はしています。

若い人では、ストレスなどで「障害されている」と表現しています。

さて、論文などを書いていない開業医の「トンデモ記事」が1年前くらいに週刊誌で紹介されていたようで、患者さんが「塩分はとっても血圧はあがらないんだろ」ということを言ってこられました。 今現在、そういった証拠はありませんし、塩分を過剰摂取することで、血圧が上がるのは間違いないとされています。 どうも私もその記事をみたのですが、「動脈硬化が原因で、それがなければ血圧が上がるはずがない」ということが書かれていました。

私が、思うに、その動脈硬化の原因に「塩分過剰摂取」があることは循環器専門医では当然のことだと思います。

私が留学時にしていた基礎研究でも、同じ結果でしたので。

自戒の念をこめてですが、未熟な知識で、ウケる記事を論文をかかずに、印象で記事にのせるのは良くないと思う次第です。

週刊誌の記事は今のところ、間違いがほとんどだと思っています。 数を数えればそれこそ、薬の揚げ足取りになっていますので、数え切れない薬を悪者にしています。

私は薬屋ではないので、できるだけ薬は少ない方がいい、と考えていますが、どうしても内服した方がいい、という薬を処方させて頂くスタンスです。

逆に、安定しているから様子見ましょう、は耳障りの良い言葉ですが、5-10年後のことを考えると、その方の将来を考えてないな、と思うことがあります。