蒸留酒であり、尿酸のもとであるプリン体がない、焼酎、、、 一見よさそうに思えるし、医師によっては「ビールを焼酎に変えたら下がるから」という場合もあるでしょう。 しかし落とし穴があります。 まずアルコールそのものが体に入ると、尿酸を作るように人体の仕組みはなっています。 よってアルコール類が全般よくない、が正解です。 ビールは飲みすぎが良くありません。 実はビール1缶に入っているプリン体はそんなに多くないのですが、ついつい飲みすぎてしまうのが良くないのです。
そして落とし穴2点目ですが、尿酸値が上がる原因は「体質」:「食事・飲み物」=7:3なのです。 つまりどんなに食事を節制しても、8.0という数字は7.0くらいにしか下がりません。 もっと下がらないかもしれません。
以前にも書きましたが、では、尿酸値が体に悪い理由と、実は少なすぎてもいけない、ということもあります。 尿酸値が少なすぎると、人体は抗酸化作用が弱まります。 よっていろんな細胞が傷ついてしまいます。 逆に高すぎると、尿酸そのものが細胞障害を起こします。 私が読んだいくつかの論文では、血管内皮(血液が接するところ)障害が起こり、血管が拡張したいときに拡張できない(理由はNOという物質がでないように内皮細胞が障害されるからです)ことや、血管平滑筋(内皮細胞を取り巻く筋肉細胞です)にも尿酸が障害を起こし、血管平滑筋の増殖から動脈硬化を起こしてしまいます。
尿管結石や、透析にもなってしまう怖い痛風腎、通常の痛風だけでなく、尿酸値が高いということで、心筋梗塞になるという報告もありますが、現在のところ、少ない報告であり、絶対、とは言えませんが、高い値にしていいことはないでしょう。
ではどのくらいの値がいいのか。 私見ですが(2018年10月)、4.5-5.5程度が理想で、6.0未満なら「可」だと思っています。 7.0の人は食事を変えると薬は必要なく、6.0未満に下がる可能性があります。 では、薬は一生なのか? 答えは、60-70歳を過ぎると尿酸を作る能力が少なくなるので、40歳の方は20-30年間必要かもしれない、と思っています(もちろん、途中で採血検査で値が下がっていれば、一旦中止して、薬なしで様子を見ることもできます) しかし、体質だけでなく、脱水や利尿剤など、どうしても心臓病や高血圧、ときに抗がん剤で内服が必要な薬で尿酸が上がることがありますので、その場合は年齢に関係なく一時的な内服薬が必要だと思います。
尿酸を下げる薬、尿酸値、私自身は腎臓の機能を良くすることが期待され、また血管の内側が綺麗になる効果は実証されていますので、心臓病の方の採血検査では必要な検査だと思っています(高くないことが実証されていれば、毎回必要ではないと思います)