消化器疾患について

ピロリ菌除菌後の方は胃カメラを1年毎、その際腹部エコーで膵臓や胆嚢、腎臓、血管もみることが望まれます

私は徳島大学病院の第二内科に入局を、京都赤十字病院の研修後にしました。 京都赤十字病院でも胃カメラ、腹部エコーをしていたのですが、徳島大学病院の第二内科は47都道府県のうち、あらゆる大学病院で、循環器内科と消化器内科が一緒になっている極めて稀な医局でした。 その後の四国こどもとおとなの医療センターでも研鑽し、循環器内科がより専門性が高いのですが、消化器内科も専門的にみることができるようになりました。 現在の徳島大学では、循環器内科と消化器内科は分かれていますので、良い時期に私は入局したと思っています。

胃カメラは「できれば鼻からした方がいい」と思っています。 それは、最近みつけた病気で鼻のなかの悪性ポリープの疑いが見つけることができたからです。 また喉頭癌や声帯癌も鼻からの方が見やすいし、カメラがのどの奥にひっつかないので「おえっ」となりにくいという利点もあります。

また同時に腹部エコーをすることで、腎臓癌の疑いや、膵臓の嚢胞性疾患(悪性になることもあり、見つけた場合、大病院に紹介することにしています)、女性ではとくに胆嚢ポリープが指摘され、手術に至ったケースも多々あります。

人間ドック協会に準じた腹部エコー検診では、動脈、膀胱、前立腺をみないことになっており、それで「異常ないでしょう」となっています。 これは非常に危険です。 腹部大動脈瘤を見逃す可能性や、前立腺の大きさ、膀胱癌を無視した結果になるからです。

検診をしているから大丈夫、と過信しすぎないことが重要です。

 

※胃のバリウム検査は、先進国では日本しかしていません。 早期の食道癌をみつけるためには、本来は、粘度の違うバリウムを飲まないと(それでも見落とします)わからないのですが、皆さん、バリウムを2種類飲んだことはありますか? おそらくないと思います。 今後はすたれていく(そうでないといけない)検査です。