心臓リハビリテーション

病院で研修しなかったことを、開業した時点で「専門です」は間違い、、、 医療技術は職人芸です

まず常識的に、経験をしたことがないのに、「専門です」はおかしいですよね。 標榜(看板)の過大広告(詐欺、とまでは言えませんが)だと思っています。 人を騙すような行為を私は嫌います。 医師という職業ならなおさらではないでしょうか?

心臓リハビリテーション学会でも、現在問題になっている事案です(ただ、標榜の自由、があるので、勧告はされていても、開業する人のモラルの問題となってしまうのです)

医学は証拠に基づく治療、が重要で、最近は患者さん個別に体する治療も同時に大事だ、と言われています。 EBMとNBMですね。
さて最近、台風が多いですよね。 気象予報ほど難しいものは実はありません。 降水確率は過去の「同じような気象図」を例えば100枚だしてきて、この場合雨が降った確率は40%だった、ということで降水確率を出しています。 しかし、この統計法は、「過去が全く同じ気象図であることはない」「地球や環境そのものの影響が変わってくると当てにならない」という、「過去と全く同じ状況である」という根本的な基本が成り立たないから難しいのです。

医学ではどうでしょうか? 患者さんも全く同じ人などいません。 クローン人間でも同じ環境で育ってなければ違いますよね。 では過去の統計も重要となってきますが、なにより大事なのが「経験」だと、統計学者、サベージ、は論文をだしています。 「主観確率」というものです。 様々な経験から、この方法がいいだろう、という、これも立派な確率、統計法なのです。 それを座学や見学だけで、教科書通りの心リハをしていては、個別の人に対応することが出来ません。 ましてや、中等度に悪い症例や、重症例は病院でしか経験出来ないので、「経験」がないので、対応できないと思います。 実は軽症例でも、そういった例が隠れているので今度発表する予定です。
私も四国こどもとおとなの医療センターで、心臓リハビリテーションセンター長をしている時は、重症例も含めて、色んな症例を経験し、それを商業出版として出しています。 それでも、今でも迷う症例があります。 しかし過去の事例の、引き出しから、「この方法がベスト」と思って心リハをしています。
四国全県、と、三重県で講演した際もこういったことを講演させていただきました。
以前にも書きましたが、「企業の一企画」ではないのです。
「他があまりやってないので心リハ」、というふうにスキマ産業として心リハが思われることが、地べたを這いつくばって研鑽したものとしては、迷惑、です。
患者さんが、専門と看板に書かれていたら勘違いされることを危惧しています。
医療技術は職人芸だと思っています。 職人になっていない人が「専門」と語るのは、やはりどうかと思われます。
物珍しいから飛びつく、のは、もはや医療ではありません。 それは大学病院や研究施設で許される事なのです。
※優秀な経験のある理学療法士がいれば、なんとかやっていけると思いますが、最終責任の医師が経験がないのであれば、決断のレベルが低くなってしまいます。