人間みな、医師も含めて、経験や、エビデンス(論文など)から、過去の失敗を後悔し、また過去に「何もしなかった場合と治療した場合、の論文で、治療した方が良かった」という報告のエビデンスで治療を行います。
しかし、これは所謂「後悔先に立たず」となってしまいます。 しかし現状は、「サベージ基準」の考え方、「後悔を先にしておく」つまり、想定される後悔を考えておく必要があると思います。 私が他の医師と同じように、ガイドラインに沿って、自身の統計や、過去の症例から学んだ事だけで治療するなら、医者はみな同じロボット、となってしまいます。
私はそれは「嫌」で、考え方自体をスイッチすることが大事だと思います。 それも、意識しながら、です。
10年後後悔するのは、今何もしないことだろう、という考え方、もしくは、今何かすることが1年後に悪い事になるかもしれない、と、後悔というか、想定をする考え方です。 患者さんが得られる利益を最高に(これを「マックスミン基準と言い、多くの人・医師が考えている事だと思います」)、損をする確率を低く、そういう考え方を「最大機会損失・最小化基準」と言います。
後悔を先にすることで、想定することが増え、それは「予知」に繋がると私は思っています。
心機能が悪い患者さんや、腎機能が悪い患者さんに、何もせず、経過を1年見る、のは、また痛い目を患者さんにあわせて、「あー、やっぱり悪くなりましたね。 では治療しましょう」という考え方で、私は承服しかねます。 医学だけでなく、医学の考え方、を変えないと、ロボット医師の完成、となってしまうのが私は嫌なのです。