心臓・血管の疾患

「弁膜症かもしれません。かかりつけ医に聴診を」というCM(ムンクの叫び)

このCM、本当に本気なのかな? と思いました。 私自身、心音では日本でもトップにいると言っても過言ではない、福田信夫先生のもとで、ほぼマンツーマンで修行をしました。 そこで分かったことは、自分一人では本を読んでも、それにDVDやCDが付いていても、勉強にはならない、という事実でした。 さらに、聴診(ここでは心音)の技術は、極めた循環器内科医>聴診が得意な医師のもとでトレーニングを積んだ循環器内科医=一流の心臓外科医>一般の循環器内科医=一般内科医 (聴診を習っていない、自己流であることが多い) という事実です。
つまり、弁膜症かも、と思った患者さんがいくら、そこらの医師にかかっても、「聴き逃される」でしょう。 (医師の立場にたって話をすすめています。 医師であれば大きな異論はないでしょうし、上記が現実なのです。 実際に、定期的に他院に通院している患者さんの激しい雑音が聴き逃されているのを何度も経験しています、その弁膜症が手術適応だとしても、、、) そこまで考えてCMを垂れ流しているのかな? と思います。
私が現在執筆している本では、心エコーの本(心臓リハビリテーションの本(一部を書かせて頂きました)はクリニックに置いています))には、聴診を重視しています。 これは今までの心エコーの本とは全く違う点です。 良い指導者に巡り会えたことに感謝し、同時に今後も研鑽していく所存です。