高血圧の薬は主に4種類と、寝る前に飲んで、朝の血圧を下げる1種類の薬の計5種類がありますが、主に使うのは、最も新しい薬で、心臓や腎臓の保護効果もあるホルモンを調節して血圧を上げないようにする薬、と、血管そのものを拡張させて血圧を下げる薬です。 強さは血管拡張薬が上です。 ホルモン調節の薬は強さは中等度で、腎機能などの問題で多い量を飲めない場合があるからです。
さて、上記の主流の2剤で血圧が目標値(人それぞれによって異なります)に達しない場合、理論上、血管は広がっているのだから、血管内の容量を減らすこと(利尿剤)が次の薬、ということになりますが、頻尿などが出る方がいて、使えない場合もあります(認容性がない、ということです) さらに寝る前の薬はふらつきが副作用であるので、これも内服してもらって、副作用がでる場合もありますし、朝、薬をまとめて欲しい、という方(認知症や夜忘れる、などです)もおられます。
私は、そういった場合、血管拡張薬に「認容性」があるので、その薬を増量することで、患者様の血圧コントロールを行っています。
「しかし」血管拡張薬の増量は「一応」増やしすぎないように、と注意書きが「とりあえず」あり、医療保険を査定する先生が「この薬は増量しないこと!」と手紙がきました。 しかし、他院や大病院でも投与している例も多々見受けられます(絶対に増量しない先生もおられるのも事実です)
私は、「絶対に増量が許されないのは、患者様をみていない証拠だから、おかしい」と思い、「日本高血圧学会」に所属しているので、問い合わせてみました。
結果は、「一宮きずなクリニックで行っている高血圧治療は、結論から申し上げると、全く問題が見当たらない。 日本高血圧学会としては推奨する治療内容です」でした。 さらに『どのように』血圧を下げるか、より、『どこまで血圧をさげて、透析や脳梗塞、心筋梗塞を防ぐか』の方が大事です、今の治療を続けてください、と、高血圧学会の学術専門の先生方から返事がきました。
私も全くの同感でしたので、今後は、保険を査定する先生に、この事実を返信したいと思っています。 それでも、査定(治療がおかしい)と言ってくるのであれば、何も理解ができてない医師という証拠となります。 そして、全く査定をやめるようなら、権力に弱い、クリニックだけを「いじめる」医師であるとわかります。 (大病院には同様の治療をしても査定してないことも確かめています)
査定される先生方もお忙しい中、仕事をされているので、気持ちもわかりますが、今までも、いろんな論文を提出して問題ないこと」「むしろ推奨される」ことも書いてきましたが、その論文をどうも英語の場合みてもらえてないな、と感じました。 日本語の論文さえ目もとおしてないのでは? と疑問に思った次第です。
査定されている先生方は、普段の治療で、まさに血圧の下げ方だけにこだわって、患者様にとって本当にいい治療をする、という原則から外れている、と思う次第です。