地域に根ざす、という言葉は辞書を引かなくてもネットでそれなりの言葉が出てきます。 特定の団体がその地域を重点的に活動を行う、というのが私のなかでは一番しっくりと来ました。
その意味なら当院が目指している医療は半分はあっていて、半分は違う医療をしているな、とも以前から思っています。
地域に根ざした医療としての取り組みは、
「半径2.5kmの知識」という論文から、住所と年齢が分かれば、肺炎(と膀胱炎)の原因菌の感受性(効く薬、効かない薬)が分かる、という私の知識です。 亀田総合病院の真似をして執筆した論文ですが、四国でこのような論文を書いたのは私が初とその昔厚労省の感染対策委員になった後輩から聞きました。 最近だと、2024年夏は「熱中症や脱水になるエアコンの寝る時の温度は28度以上でなりやすい」という統計です。 エアコンの性能や湿度、扇風機の有無、水分補給の度合いは無視して、ですが、27度以下にしてください、と言えます。 あとは普通に来られる患者さんとは顔見知りになるため、またカルテも(電子カルテですが)情報が増えてきて、どのような治療が適しているか、などが分かります。 こういったことは地域に根ざしていると言えると思います。
地域に根ざしていない、というのは、地域的には馴染みのない予約制を用いているところや、どんな方にも私が考えるその時の最高の医療の提案をさせてもらう、という点はどの病院やクリニックでも同じでしょう。 またこれは福田心臓消化器内科の先生方の助けがあってのことですが、多くの学会への参加、そこでの発表、また学会自体の開催、論文や医学本、医学雑誌のコラムの執筆など(そういえば心臓リハビリテーションのことで、BSテレビで木佐アナウンサーと15分の番組に出演させていただいたこともあります)、と、学術的な面に力を入れているのは最近のクリニックでもよく見かけるスタイルかもしれません(私が真似をしたわけでもなく、他の人が真似をしたわけでもなく、同じようなスタイルで開業する人が増えてきた印象です)。
学術的な面をおろそかにすると、研究会で聞いたことだけ、を実践する、となり、間違っているかどうかの吟味がなされない医療、となることが私自身は嫌だ、と思っています。 熟孝された結果の治療を自分が提案してほしいから、今のようなスタイルになっているのだと思います。