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ヨードはコロナウイルス感染症に効くのか?

大阪府で発表されたものですが、まだ論文にはなってないようですね、私の検索力不足なのかもしれませんが。

なので、私の知識と一般的なことを伝えたいと思います。

まず、肺炎の方のPCR陽性率ですが、喀痰や鼻咽頭の粘液、唾液で行ったのかが不明ですが、PCR検査の感度は70%が低いなどという報告もありますが、基本採取したものの中に死菌でもウイルスでもいれば、99%ちかい感度を持つはずです。しかし肺の奥の方だけの場合はいくら唾液や鼻粘膜から採取しても、その分泌物にウイルスがなければ「陰性」と結果はでますが、肺炎は存在する、という矛盾を生じます。(さらに陽性的中率が低いのがPCR検査の問題点です。 実際にウイルスに罹患している人、そうでない人を見分ける時にPCR検査をすると、99%の感度・特異度だたしても、陽性的中率は50%となってしまうため、感度を最高レベルと仮定してもその程度であるため、PCR検査が全てではない、とう人が多くいるわけです、「陽性者を見逃す確率が非常に高い」からです。

もう一点はヨードのうがい薬そのものの、問題点、です。 病院で処方できる、イソジンガーグル、にも、オーバー・ザ・カウンター(OTC、つまり処方箋がいらずにドラッグストアで買える)のポピヨンヨードにも、確かにウイルスや細菌を死滅させる効果はありますが、他の肺炎ではなぜ言われてこなかったのか? 私の知る限り(調べる必要性もないと思い検索していません)では、イソジンガーグルでうがいを1日4回していると肺炎が治ったという報告は聞いたことがありません。 うがいをする、という行為で口の中にいる微生物がいなくなり、PCRの感度を下げただけではないのか? という疑問点が残ります。

ヨードのうがい薬は飲むと危険です。 まずエタノールが入っています。 さらに悪い微生物だけでなく、口の中の常在菌全てを殺してしまうため、バランスがくずれてしまいます。 さらにヨードそのものの炎症を起こす作用があり、うがい程度ならいいのですが、飲んでしまうと食道をはじめ、胃腸の炎症を起こしてしまいます。

私がヨードカリ、を医療で使うのは、今はほぼありませんが、食道がんが胃カメラで怪しい時に散布チューブで染まらない部分がガン、ということをする場合がありますが、最近はNBIなどの胃カメラの進化でしなくてもほぼいい状態になりました。 しかしながらこの方法がベストだと今でも思っているので、NBIでもわからないけどもガンの可能性がある場合は使用します。 ただ患者さんは胸焼けがしますし、食道がんのリスクにもなりますので、全員にするのはナンセンスです。 また、バセドゥ病の方がなにかしらのきっかけで、クリーゼという超危険な場合にICU(集中治療室)に入ってもらい、鼻から胃に通した管を使って、ヨードカリを注入して治すことをしていました(循環器専門の医師でしている人は100人中1人もいないでしょう) ヨードを体内にいれることで、甲状腺ホルモンの産生を抑制する効果が速攻的にあるからです(具体的にはT4がT3になるのを抑制する、という専門的な説明になります) その間にメルカゾールなどの薬剤で甲状腺自体を治すわけです(メルカゾールはヨード注入から2時間は空けないと、逆に甲状腺ホルモンを作る方向にヨードカリが働いてしまうの要注意である) もちろん、甲状腺クリーゼで少なくなっている副腎ホルモンを先に投与(サクシゾン)して、血行動態(血圧や脈拍)を安定させることを優先させる。 もちろん、消毒にも使ったりなどするが、最近は治癒過程ではイソジンは使用しない方がいい、ことは当然、となっている。