センス オブ コヒアランス と 呼びます。 日本語訳は、ストレス対処能力です。 精神科でもニッチな分野ですが、私はこのストレス対処能力が3つの能力の総合点である、ということから非常に興味をもち、日本語訳の本を買い、論文を読んで、実際に自分が論文を書くほどになりました。 昨年論文として発表しています。
さて、ストレスに対して、人間は3つの能力で立ち向かう、というのが、SOCの考え方です。
①「 現実把握感」
②「処理可能感」
③「有意味感」
です。
①は今起こっている起こっていることを、しっかりと理解できているか、という能力です。 確かに自分が置かれている事態がわからないとストレスになりますよね。
②は起こっている事象に関して、どういう方法で切り抜けるか、を熟知しているかどうか、です。 どうしようもない、ではストレスになってしまいます。
③は、いわば起こっている事象にたいして、立ち向かって達成感を得ようとする前向きな考え方、です。
これは、普段の診療にも役に立つな、と思ったものです。
つまり、患者さんに私が大事にしているのは、絵に描いたり、納得がいくまで、病気や薬のこと、ほっておくとどうなるか、ほっておいてもいい理由、などを「説明」するように努力しています。
そして、そのままではなく、どうやったら良くなるか、という手段を提示します。
最後に治療すると良くなる見込み(将来がどうなるか)を話して、治療をする意義を説明することにしています。
「説明」と「納得」が大事だと思い、日々診療しています。