私は肥満度が高い人に保険がきく「サノレックス」を処方します。 交感神経の興奮で「イライラ感」がでる副作用がゼロではありませんが、循環器内科医としては交感神経の興奮を抑える治療をしているので処方しやすい、というのがあります。 お腹がすかない状態を続かせる効果があります。 保険のきかない「ゼニカル」は脂肪の吸収を抑えるのですが、美容整形をしている友人数人から聞いても、いつのまにか便がでてしまう、という副作用(?)があり、実用的ではないと思っています。
さいきんは、GLP-1阻害薬という、糖尿病の治療薬で、今は注射しかありませんが、主に週に1回自己注射すると、お腹が減るホルモンが減って、さらに消化管の動きにも少し影響し、食欲自体がへって、食べる量が少なくて済みます。 当院では糖尿病の方に使うことはあっても(確かに痩せます)、肥満に対して保険適応外の治療としては現在は使用していません。 最近はインスリン治療のなかにこの手お薬が混ぜ込んであるものが昨年9月から発売されて、14日でクリニックに今年9月までは来てもらわないといけませんが、相当効果があります。 糖尿病に対してもですし、体重も増えないか、減少します。
さらに言えば、最も安全な可能性があるのは、内服薬で糖を尿に排出させて、4kg体重を落とす薬があります。 この薬で11kg痩せた人もいますが、だいたい痩せても4kg止まりですが、心臓や腎臓にいい効果があるのがいいところです。 SGLT-2阻害薬という薬ですが、ここで「スーグラ 」が入っています。 この薬以外はいいものだと思いますが、大規模臨床試験でエビデンスが確立しているのは、フォシーガ、カナグル、ジャディアンスの3つだけです。 もっとも副作用が少ないルセフィは効果の点で少しおちるイメージです。 皮膚の弱い人には、ルセフィ、という考えもあるかもしれませんが、そもそも発疹がでる可能性がある薬なので、皮膚が弱い人にはどの薬も出さないのが基本です。 ただ、その安全性から、カナグルで3ヶ月から半年、その後切り替えても安全なルセフィにするとより効果がます(カナグルは厳密にいうとSGLT-1も阻害するので少し効果がちがうため、慣れて来た頃に違う薬、という訳です)という報告をしています。 11kg痩せた人もこの「スイッチ療法」でした。 内服薬も中止できました。