「風邪症状で来院された場合が一番難しい」ということを教えられて来ました。
もちろんその場で隠れている病気を見つけ出すことは難しく、経過を見ることも必要です。
つまり、風邪(感冒)と「決めつけ」ることがまずは前段階として間違っているのです。
さらに、抗生物質(抗菌薬)をださないことが前提、という誘導的な考え方にさせる、治療のフローチャートが「謎」です。 その中に、肺の音を聴く、という内容がないのです。 つまり聴診しない医師がつくったものか、聴診は意味がない、という根拠があって(ないと思いますが)作られたもの、です。
実は抗生剤を使わないようにする国の方針は、他国からの圧力で、政府がやっと重い腰を上げて作ったもの、です。 なので、あまり良いものではない、と思っています。 実際に学会でも、意見が真っ二つに分かれます。
「不適切な抗菌薬の使用は控えよう」は当たり前ですが、どうも、「抗菌薬をださないことが前提」として、ガイドラインが作られています。
私はそのガイドラインは練って練って作られたものとはとても思えないので、そのガイドライン通りが正しいともおもいませんので、ガイドラインの「先入観」にとらわれず、逆転の発想で物事を考えています。
感冒症状で来られた方に、具体的に「○日後に良くなってなければ再診して採血、レントゲンが必要かもしれません」という一言は重要です。
さらに、逆転の発想とは、極論(感染症だとして)「抗菌薬をだすことを前提」として、根拠が揃えば、ださない、とした方が、医師も勉強するでしょうし、なにより大事な、「適切な時期に、適切な抗菌薬を遅れずに処方すること」に繋がると思います。
90%がウイルス性だから抗菌薬は必要ない、の根拠も不明ですが、逆にいえば、10人に一人、感冒症状で来られた方は細菌性ともとれます。 基礎疾患の有無にも注意が必要ですが、あまり重要視されてないのが現在のガイドラインです。